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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第635回

富士フイルム「X-A7」と16-80mmレンズで河川敷猫に会いにいく

2019年11月06日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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富士フィルム「X-A7」をぶら下げて
台風後の河川敷猫を撮りにいく

アスファルトの上は適度にざらざらして気持ちいいのである(たぶん)。ごろごろしてるのを見つけてそっと撮影。身体をひねりながら回転するとこっていいよね。2019年10月 富士フイルム X-A7

 珍しく早く目が覚めた日。外を見たら青空が見えていたので、ちょいと猫の様子でも見てくるかと、とある河川敷へ向かった。台風をはじめとする大雨が降ると、河川敷は水没する。水没していいのである。広い河川敷が水没してもその外側にある堤防を水が越えなければいいのだ。でも、しばしば広い川の河川敷には猫がいる。そんな場所のひとつに様子を見に行ったわけである。

 カメラは前回と同じく富士フィルム「X-A7」で、それに16-80mm F4という新しいレンズを装着して。

エントリー向けのX-A7にミドルクラスのズームレンズ(XF16-80mmF4 R OIS WR)をつけたのでちょっとバランスは悪いけど、猫を撮るにはよいレンズなのだ。

 X-A7のキットになっている標準ズームレンズではちょいと猫を撮るには心許ないので、ミドルクラスの標準ズームレンズである16-80mm F4を付けてきたのだ。

 その河川敷へ行ってみると、かつてグランドだったところには泥が溜まり、猫がねぐらにしていたとおぼしき廃屋は、ドアや窓が流されて傾いた柱とかろうじてひっついてる壁と、もはや役目をはたしてなさそうな屋根を残すだけの残骸となりはて、猫の姿もみえない。しょうがないかと適当に座って買ってきたコーヒーとパンで朝食を摂り、この辺ブラブラと写真でも撮りながら散歩するかと立ち上がったら、遠くに見覚えのある白いヤツが。さっきまではそこに何もいなかったのに。

どこに隠れてたのか、突然現れてこっちをじっと見てる。ちょいとうれしくて思わず遠くから撮影。後ろに川が見えてる。2019年10月 富士フイルム X-A7

 おお。長毛のほぼ白猫ではないか。生きていたか。よかったよかった。遠くて小さくてよくわからないけど、顔なじみのヤツだ(もちろんわたしが一方的に知ってるだけだけど)。とことこと歩いてくるかなと待ってたら、途中で斜面に腰を下ろして毛繕い。晴れて暖かいので出てきたのですな。

長毛種の毛繕い姿はなかなか愛らしい。周りは荒れたままだけど、それはそれで猫に似合う。2019年10月 富士フイルム X-A7

 何はともあれ毛繕い。近づいても意に介さず毛繕い。長毛なので朝のお手入れが大事なのだ。わたしが近づいても意に介さないのがまたよし。毛繕いって舌が速く動くので撮るの難しい。毛繕いしてる感を出すにはピンク色の舌が出てる瞬間を捉えたい。でもこれが難しい。猫が舌を出しそうという瞬間に、シャッタータイムラグとか液晶モニターの表示タイムラグとか人間タイムラグとか(今だ、と思ってからシャッターを切るまでのタイムラグってけっこうある)を計算して……ってのはめんどくさいので、連写する。

 陽射しを浴びて、目を閉じて、ピンクの舌のざらつき感をアピールしつつ毛繕いしてる姿が気持ちよさそうなこと。

毛繕い写真はピンクの舌が伸びてるかどうかが決め手。気持ちよさそう。2019年10月 富士フイルム X-A7

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