「日本再興戦略2016」でスポーツ市場規模を2025年までに15兆円へ伸ばすと発表されるなどスポーツ産業の成長が注目されている。中でも期待を集めるのがテクノロジーを利用した市場の拡大だ。AIによるオンラインスポーツ指導ツールを提供するSportipも、スポーツ×テクノロジーの領域のスタートアップの1社である。
Sportipの高久侑也代表は、自身も幼少期から野球部で活躍し、大学ではスポーツマネジメントを学んだ。「従来の勘や経験に頼ったスポーツ指導や経営から脱却し、データドリブンに生まれ変わることで、指導者、プレイヤー、そしてスポーツ産業全体の課題を解決できる」と語る高久代表。テクノロジーでスポーツビジネスの変革に挑むSportipの取り組むについて伺った。
12年間続けた野球を断念、自身の挫折がビジネスアイデア
――Sportipのサービス内容について教えてください
Sportipは、スポーツ・フィットネス領域のトレーナーに向けてAIオンライン指導ツールを提供しています。具体的には、カメラで撮影した映像から動作の角度や角速度、距離、身体の軸などの豊富な情報を取得。AIにより自動で解析できるBtoBプラットフォームです。
短期的には個人のパーソナルトレーナー向けに提供、今後は大手ジムや24時間運営のジムにも展開ができるように実証実験を進めているところです。
現在多くのフィットネスクラブやスポーツクラブでは、データが蓄積されていません。つまり、データを活用すれば可能になるはずの、コストの最適化やトレーニングの品質向上に取り組むことが出来ない状況です。しかし、Sportipの提供するツールを利用することで、動作が撮影された映像を解析して自動でフィードバックが得られる、トレーナーの人件費削減になるのはもちろん、属人的でなく定量データに基づいた指導が可能になります。
さらに、フォローアップも容易になるため解約率の減少に貢献し、マーケティングコストも削減出来ます。