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ASCII.jp働き方研究所 ― 第2回

最新のIT武装はスモールビジネスを大きく変えていく

奥様は経営コンサル?イトウスポーツを変えたクラウド&モバイル

2015年01月27日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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神奈川県小田原にある「イトウスポーツ」は野球関連製品を中心に手がけるスポーツ用品店。クラウド会計ソフト freeeやAirレジ、Squareなど最新のITツールでビジネスを刷新しようとしている経営者夫婦に日本技芸の御手洗大祐社長と話を聞いた。(インタビュアー TECH.ASCII.jp 大谷イビサ)

新連載「ASCII.jp働き方研究所」では、TECH.ASCII.jpの大谷が日本技芸社長の御手洗大祐さんとタッグを組み、クラウドやモバイルの登場で変わりつつあるワークスタイルを現場目線で掘り下げていきます。連載立ち上げの背景はこちらをご覧ください。

少子化時代だが、本気のクラブチームが増えた

 「ベースボールプロショップ」を謳うイトウスポーツは野球製品にフォーカスしたスポーツ用品店だ。今回、話を聞いた井藤隆則さんのお父さんが地元に店を開いたのは、今から35年前。現在の店長である井藤さんはメーカー勤務を経て、20代で地元に戻り、家族で店を切り盛りしている。

神奈川県小田原市にある「イトウスポーツ」は野球の専門店

 大型店やネット店舗との差別化を進めるべく、重視してるのは専門性。井藤さんは「グローブを売っているだけではなく、革の品質も説明できるし、修理や刺繍も手がけています。大型店でできない専門性を意識しています」と語る。お客さんは、地元の小学生や中学生。マクロで見ると、野球人口がサッカー人口に抜かれているにもかかわらず、小田原は野球が盛ん。「僕たちの時代は軟式の少年野球やって、中学でクラブチームという感じでした。でも、ここ数年でがらっと変わっていて、硬式のクラブチームが近隣含めて5~6チームくらいあります。学校の部活ではなく、クラブチーム中心で野球を本気でやっている子が多いですね」と語る。

専門店ならではの価値を追求するイトウスポーツの井藤隆則さん

 インターネット関係は昔から手がけており、Webページはもちろん、ブログやFacebook、Twitterなども一通り展開している。「最初のWebサイトはYahoo! Geocitiesで作りましたねえ。今はうちの奥さんの知り合いにカートの用意されているサイトを作ってもらっています」とのことで、コマースサイトも持っている。とはいえ、商品の購入よりは、専門性を見込んで修理や刺繍をおねがいしてくるお客が多いようだ。

 課題はやはり人手の問題。井藤さんは「父が70歳を超えてきてますし、地域に専門性を学校や少年野球にアピールしたいというのもあります。営業の人を雇い入れるのか決めかねている状態です」と語る。

さまざまなメーカーのグローブやバットを扱う

3と8の区別がつかなくて1年間さかのぼっていた

 イトウスポーツで現在、経理を担当しているのは、奥様の早苗さんだ。長らく義母にあたる井藤さんのお母さんが経理を担当していたが、体調を崩したという経緯もあり、2013年末くらいから早苗さんが経理担当になったという。

 多くの個人事業主と同じく、イトウスポーツでも紙の台帳に伝票を起こしていたが、手書きならではのミスも多かった。早苗さんは「3と8の区別がつかなくて、1年前までさかのぼって計算し直していました(笑)。仕入れをわざわざ書き写すのも、面倒くさいなあと思っていました」(早苗さん)。また、青色申告のために税理士に仕訳作業を依頼していたが、この作業もパソコンなどを使えば、自動化できるのではないかと考えたという。

イトウスポーツで経理を切り盛りしている奥様の早苗さん

 ちょうどお子さんが生まれ、子育てにも手がかかる時期。「面倒くさがり」を自認する早苗さんが楽に、簡単に使えるソフトを検索してたどりついたのが、クラウド型会計ソフト freeeだ。

 freeeは無料版があるだけではなく、年間9800円でサポートも付き、年末調整から確定申告まで使える。スマートフォンやタブレットはもちろん、自宅で使っているMacで使えるのも大きかった。なにより、実際に試してみたところ、本当に簡単だったのが大きい。会計ソフトの初心者の早苗さんも「会計の知識がなくても、基本は出入りした金額を登録するだけ。これなら私にもできるかもと思った」と導入に至ったという。

(次ページ、数字の可視化で奥さんが業務コンサルへ)


 

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