まもなく中国では5Gスマホが続々登場する
中国の5Gの開始が秒読み段階となっています。すでに主要都市では3キャリアがテストサービスを開始中。早ければ11月にも正式なサービスが開始されます。中国・深センの電脳街も5G開始に向けて消費者へのプロモーション活動があちこちで実施されています。5Gスマートフォンもすでに数機種が発売中です。
すでにキャリアの店は看板を5Gサービスのブランドを冠した新しいものに付け替えています。チャイナユニコム(中国聯通)は「5Gn」のブランドを早々と立ち上げ、3キャリアの中でも5Gスマートフォンを早い時期から展示しています。現在はサムスンの「Galaxy Note10+ 5G」がイチ押しのようで、店に入ったすぐの場所で展示されていました。
ただし、5GはつかんでおらずWi-Fi接続。これは他のキャリアの店や家電店でも同じなのですが、5Gスマートフォンが展示されていても5Gに接続されていないことがよくあります。店内ではファーウェイの「Mate 20 X(5G)」やZTEの「Axon 10 Pro 5G」などのみが5G接続。11月には正式な料金を発表して本サービスを開始するだろうとショップの店員は言っていました。
チャイナテレコム(中国電信)は「5G hello」のブランドを掲げています。ここでも5Gの開始はスタッフ曰く来月からとのこと。
5GスマートフォンはVivoの「NEX 3 5G」とファーウェイのMate 20 X(5G)を展示。ここではどちらにもSIMが入っていましたが、スピードテストはできず。それでも店内で5Gをつかんでいたので本サービスの開始が楽しみです。
そして中国最大で世界最大のキャリア、チャイナモバイル(中国移動)は「5G++」で5Gサービスを開始しますが、店内には5Gスマホの展示は無し。中国移動も「11月に料金を出す」とスタッフが話していました。すでにいくつかの都市ではサービスプランが提示されているとの話も聞かれるのですが、各地域のキャリアが個別に独自の料金を提供しているようです。
なお、現在深センで5Gを使っているユーザーは、チャイナユニコムかチャイナテレコムが配布している5Gお試しSIMを使っているようです。チャイナユニコムは8月と9月に5Gスマートフォンを買うと、1ヵ月100GBまで使える5G SIMを無料提供していました。10月もそのサービスは継続されており、今も同社で5G端末を買えば無料SIMが利用できます。
家電店でも5Gスマホの取り扱いは始まっています。Sundan(順電)という家電店では、Vivo NEX 3 5GにチャイナテレコムのSIMを入れて5G接続した状態で製品が展示されていました。Vivoもチャイナテレコムも5Gに対してのプロモーションをすでに始めているわけです。
サムスンの「Galaxy A90 5G」も発売直前で、100元の予約金を入れると優先的に発売日に購入できるとのこと。中国市場では劣勢が続いているサムスンですが、5Gの開始に合わせて中国メーカーと戦える製品を次々と出すようです。
そしてメーカーのショップでも5Gを大きくアピールしていました。中でもシャオミは発売したばかりの「Mi 9 Pro 5G」を店舗の一番目立つ位置にずらりと並べ、主力モデルとして販売していました。
Mi 9 Pro 5Gは先に発売した5Gスマートフォン「Mi MIX 3 5G」の姉妹機とも呼べるモデルで、ディスプレーは同じ6.39型(2340×1080ドット)を採用。しかし、カメラは4800万画素+1200万画素+1600万画素にパワーアップ。スライド式ボディーでデュアルフロントカメラを搭載していたMi MIX 3 5Gに対し、Mi 9 Pro 5Gのフロントカメラは2000万画素。それでも十分高性能です。
価格はメモリー8GB、内蔵ストレージ128GBで3699元(約5万6600円)と5Gスマートフォンとしては破格の安さ。シャオミは5G市場でも価格を武器に参入、一気にシェアを奪おうという考えですね。すでにMi MIX 3 5Gはヨーロッパなどでも販売されており、5G市場では老舗メーカーと真っ向から勝負しています。
これからも毎月のように中国では5Gスマートフォンが出てくることでしょう。中国はプリペイドSIMが一般的なので、5Gが始まれば日本人も現地でスマートフォンとSIMを買って使うことができそうです。
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