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DXR非対応のRadeonでもMinecraftの映像をレイトレーシングで劇的に変化させる方法とその効果に迫る

2019年10月21日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラハッチ/ASCII

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SEUS PTGIでなぜレイトレーシングが可能になるのか

 SEUS PTGIの「PTGI」とは、「Path Tracing Global Illumination」を略したものだ。ざっと「グローバルイルミネーションのパストレーシングによる実装」とでも訳すことができるだろう。レイトレーシングもパストレーシングも、光線(レイ)の光跡をひたすら追跡(計算)し、どのポリゴンに衝突したかを求めて反射や屈折を求める。両者の違いはどこまでレイの通る道を計算し続けるか、にあるが、パストレーシングはレイトレーシングよりはるかに計算量が多い。より複雑な表現を可能にするのがパストレーシングと覚えておこう。

 レイを追跡することで鏡面反射や屈折がリアルに出せるようになる、というのがレイトレース法の特徴として挙げられることが多いが、SEUS PTGIでは反射や屈折にパストレーシングは使われていない。では何にパストレーシングを使っているかというと「Global Illumination(GI)」、あるいは「大域照明」と訳される技法を実装するためにあるのだ。

 GIとは……と始めるとまた解説が膨大になるので割愛するが、ざっくりと言うと「照明の照り返しや間接光をリアルに表現するための技法」である。暗い室内に射し込んだ光が床を照らし、明るくなった床が別の壁を照らす、といったシチュエーションはGIの得意とする表現だ。

暗い室内に小窓から太陽光が射し込む、というシチュエーションを考えてみよう。ヴァニラだと室内が完全に暗くならないだけで、光が射し込む雰囲気すら出せない

従来の影Mod(SEUS Renewed)だと入射光が床を照らす表現はできているが、窓の周囲が明るくなりすぎている。これでも十分雰囲気は出ているが、もう少し本物感が欲しい

SEUS PTGIでレイトレーシングさせると天井や対面の壁には窓枠に反射した光の照り返しがきっちりと表現される。これがGIの効果だ。さらに、床に射し込む光の輪郭も、手前側輪郭がボヤけるなど、より写真的な表現になる

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