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AV評論家・麻倉怜士が語るXperia 1の画面の美しさ

2019年10月05日 12時00分更新

文● スピーディー末岡 取材協力●麻倉怜士

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カメラの絵作りはソフトウェア調整

 ディスプレーの美しさについて語った麻倉氏だが、カメラもかなり気に入っているとのこと。

麻倉「ディスプレーのほかにもう1つビックリしたのは、カメラの絵が大変素晴らしいことです。私もこれまでいろいろスマホを使ってきましたけども、ここまで本格的なというか、ある意味一眼レフにかなり近寄った絵が撮れるのも、注目すべきポイントです。3つのレンズの話はほかのライターさんが書いているので詳しくは述べませんが、それ以上に効いているのは絵作りの力ですよ。まず、肌色再現性が非常にいい。肌色が“これは肌色ですよ”みたいな桃色になるわけではなくて、色合いがとても自然です。それから、グラデーションが豊か。黒と白をはっきり分けるよりは、むしろその中でお互いの色の階調性を非常に細かく設定している。肌色の色合いと肌色の階調性はとても情報量が多いので、そこにイキイキとした自然な肌色感が出てくるのは感心しましたね」

 カメラそのものよりも、絵作りに感心したという麻倉氏。

桃。立体的で繊細な色のグラデーションが伺える

シャイン・マスカット、ピオーネなどの食べ頃の葡萄たち。ディテールまでの着色とナチュラルな描写が魅力

麻倉「私は夏に写真をよく撮るんですが、たとえば空の抜け方もいい。強烈な青空であっても青空としてちゃんと残っているとか、浮いている雲のシャドーの中の情報が非常に多いので、丸みを帯びた立体的な雲に撮れます。あとは夕焼けってホワイトバランスを効かせてしまうと赤を白と認識し、白っぽくなってしまうですけど、それが夕焼けはきちっと夕焼けになっている。こういう、普通のデジカメでもなかなか難しい場面で、非常に情報量が多くてダメージが少ない絵を撮れます。HDRの効き方も素晴らしい」

 この絵作りにはXperiaのソフトウェアのチカラがある。

麻倉「従来のデジカメはメカ的にいいレンズを使って、いいシャッターを使って、いい構図を使ってしっかり撮るぞというものです。スマホの場合はレンズが(デジカメと比べて)プアーで、構図もそんなに凝れないんですが、ソフトウェアで頑張れる余地がある。さっき言った肌の階調性もやっぱりソフトウェアで決まっているわけで、ソフトウェアのパワーがこの絵づくりに効いていますね。ソフトウェアをうまく使うことによって、見た目により臨場感、ビビッドさが感じられるような絵を作っているところに私は感心しました。シネマ機能も素晴らしいが、さらに日常のワンカットを撮るスナップ撮影でもとても良い」

ほどよく背景がボケる。時計の文字盤表面加工まで丁寧に描写している

HDRと夕景モードが効き、夕焼けの色情景が鮮やかだ

人形の頬の丸み、なだらかなグラテーション、優しげな肌色……とても魅力的だ

肌色がナチュラルで、頬のグラテーションの推移がとてもすべらか

 本格的な映像だけでなく、ふとした瞬間にすぐ撮れるお手軽さ、機能性もXperia 1の魅力のひとつ。

麻倉「私はYouTubeを見るときにXperia 1をよく使うんですが、かなりビビッドな感じというか、やはり有機ELが効いてますよね。有機ELの持つコントラストさがあって、それをベースにしてこの階調性と映像再現性を作っているわけですから。その構造がソニーが作る映像機器に非常に近いところがあります。それから、ライブなどのステージ映像もいいですよ。ステージ映像が16:9だとちょっと横が切れるんですけども、すごく臨場感がありますし、映像の中でも特に色の鮮やかさ、色の突き抜け感、色の彩度の高さで、そこにドットの濁りが少ないんですよ。それがクリアーな、鮮明な映像として出てくるんです」

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