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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第524回

第2世代EPYCの優れた価格競争力 AMD CPUロードマップ

2019年08月19日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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第2世代EPYCで80の世界記録を達成

 話が逸れてしまったので戻したい。性能の話であるが、AMDは第2世代EPYCで80の世界記録を達成した、と発表している。

第2世代EPYCが達成した世界記録80種類の内訳

 この80の内訳はAMDのウェブサイトで細かく説明されているが、以下の具合に、SPECjbbやTPC系のサーバーワークロード向けのテストが多めとなっている。

第2世代EPYCが達成した80の世界記録
テスト項目 テスト数
SPEC CPU 2017 13テスト
SAP 2テスト(*2)
SPEC Accel Open ACC/OpenCL 4テスト
SPEC MPI 2007 1テスト
SPEC OMP(G) 2012 1テスト
SPECjbb2015 26テスト
SPECpower_ssj2008 7テスト
SPECvirt_sc2013 1テスト
TPC-DS 3テスト
TPC-E 2テスト
TPC-H 7テスト
TPCx-HS 6テスト
TPCx-IoT 2テスト
TPCx-V 3テスト
VMmark 2テスト

(*2) ウェブサイトのリンクにミスがあり、そのままアクセスしても404エラーとなる。正しくは https://www.sap.com/dmc/benchmark/2019/Cert19044.pdfである。

 こうしたベンチマークとは別に実アプリケーションでも、Xeon Platinumと比較してより高い性能を実現できるというのがAMDの主張である。

Xeon Platinumとの比較。このうちいくつか(Altair Radioss、Blenderなど)は会場で実際にデモも行なわれていた

 ちなみにHPCの分野では、今年1月のCESにおける基調講演の概略をAMD HEROESで書かせていただいたが、ここに出てきたイリノイ大のNAMDベンチマークに関しては、その後4月にインテルがData-Centric Innovation Dayというイベントの中で、Cascade Lake-APで10.65ナノ秒/日の性能をアピールして「1ソケットで7nm EPYCより高速」と説明していたが、Cascade Lake-APを1ソケットとするのは(嘘ではないが)無理がある気がする。

 さらに言えばXeon Platinum 8180が8.40ナノ秒/日だったのに、コアの数が倍のXeon Platinum 9282がたったの10.65ナノ秒/日でしかないあたりも不思議である。

 AMDの担当者にこの件を聞いたところ、「消費電力が違うから比較にならない」と一言で終わりであった。HPCの市場でも、実際TCO (Total Cost of Ownership:総保有コスト)が大きなポイントとなっていることを考えると、消費電力は同等にそろえないとまずいような気はする。

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