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山根博士の海外モバイル通信 第449回

上海でファーウェイ、OPPO、シャオミなどの5Gスマホを触りまくり!

2019年06月21日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

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5Gスマホを上海で体験してきた

 日本では今年9月に5Gのプレサービスが始まる予定ですが、まだ5Gスマートフォンを自由に体験できる場所はありません。中国も5Gは現在各キャリアが準備中で、5Gスマートフォンの販売はありません。ところがすでに、一部のキャリアは店舗に5Gスマートフォンを並べ、ギガビットの高速通信体験デモを提供しています。上海にある中国聯通(チャイナユニコム)の店舗で実際に5Gを体験してみました。

中国聯通の5Gブランド名は「5Gn」

 デモとして展示されていたのは以下のモデル。いずれも中国メーカーで、サムスン電子、LGの製品はありませんでした。調達のしやすさから国内メーカーだけを置いているようです。

  • ファーウェイ「HUAWEI Mate 20 X 5G」
  • シャオミ「Mi MiX 3 5G」
  • OPPO「Reno 5G」
  • ZTE「AXON 10 Pro 5G」
  • Vivo「NEX 5G体験版」
  • Nubia「mini 5G」

ファーウェイのHUAWEI Mate 20 X 5G。背面に「5G」表記はないが5Gモデム搭載モデルだ

 ファーウェイの5G端末はMWC19 Barcelonaで披露された折りたたみ端末「HUAWEI Mate X」が最初と思いきや、ビジネス向けモデルでもあるHUAWEI Mate 20 Xの5G版が先となります。展示機のアンテナ部分を見るとしっかりと5Gの表記が。店内には5Gの試験電波が飛ばされており、実際に5Gを使うことができます。

 APNの設定は、3G/4Gの「3gnet」ではなく5Gは「cunet.5g」と別のものになっていました。ちなみに中国の携帯電話回線はプリペイドが基本のため、中国で5Gが開始されたら外国人でも5G対応のSIMを買うことができるでしょう。

アンテナマーク部分に5Gの表記。試験電波をつかんでいる

APNは5G専用のものになっている

 では5Gの実力はどれほどでしょうか? 試験波は5G NR 3.5GHzですが、NSA方式のため4G LTE 1.8GHzとのデュアルコネクティビティーで接続されます。展示機の中からOPPPのReno 5Gを使ってスピードテストをしました。

 スピードテストアプリを数回走らせましたが、余裕で1Gbpsを超えていました。展示機はいずれも中国販売品のためYouTubeはインストールされていませんが、中国の動画アプリを試したところストリーミング放送もストレスなく受信できます。できればPCとテザリング接続して、大量のデータのダウンロードテストをしてみたいものです。

10倍ハイブリッドズームカメラ搭載のReno 5G

何度テストを繰り返しても毎回1Gbps以上を出していたしていた

 さて他の展示機は、OPPOのReno 5GとZTEのAXON 10 Pro 5Gは実際に5Gの電波をつかんでいました。どちらもスピードテストでは同様にギガオーバーをマーク。キャリアの店舗内の試験電波とはいえ、市販の製品で安定して高速通信が可能とは、5Gの商用サービスの開始が楽しみになります。

5Gモデルだけに高級感もあるMi MiX 3 5G

中国販売がメインとなりそうなAXON 10 Pro 5G

 VivoのNEX 5Gは5Gモデムを搭載した試作モデルで製品版ではありません。そのためか5Gではなく4Gの電波しかつかんでおらず、あくまでも参考展示とのことでした。またNubia mini 5Gもまだ開発中の製品のようで、こちらはSIMが無く無電波状態での展示。

NEXは5Gモデムを後から追加した試作モデル

mini 5Gは開発中の製品とのこと

 日本では5Gの足音がなかなか聞こえてきませんが、すでに韓国やアメリカ、イギリスなど海外では続々とサービスが始まっています。中国でもこれだけの端末を並べて一般消費者向けにデモをしているということは、5Gの開始は本当に目前なのでしょう。日本でも早く5G端末が自由に体験できる場を設けてほしいですね。

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