さとうなおきの「週刊アジュール」 第95回
「Build 2019」アップデート ~インフラ編~
Azure Cost ManagementがAWSをサポート
2019年06月07日 09時00分更新
Azure Virtual Machine Scale Sets:シリアルコンソール
Azure Virtual Machine Scale Sets(VMSS)は、多数の同じ構成のVMをデプロイ、管理するためのサービスです。
Azure Virtual Machinesの「シリアルコンソール」は、VMに接続できない場合のトラブルシューティングで役立つツールです。
今回、Azure Virtual Machine Scale Setsでも、シリアルコンソールが利用可能になりました。
Azure Security Center:アダプティブアプリケーション制御でのVMの別グループへの移動、アダプティブネットワークのセキュリティ強化
Azure Security Centerは、Azureリソースのセキュリティの可視化と制御を行うサービスです。
Azure Security Centerのアダプティブアプリケーション制御で、VMをあるグループから別のグループに移動できるようになりました。
Azure Security Centerの「アダプティブネットワークのセキュリティ強化」(Adaptive Network Hardening)が、パブリック プレビューになりました。
「アダプティブネットワークのセキュリティ強化」は、インターネットに接続されているVMに対して、ネットワークトラフィックと接続パターンを学習し、ネットワークセキュリティグループ(NSG)ルールの推奨事項を提供します。
Azure Security CenterのAzure Virtual Machine Scale Setsサポートが、GAになりました。
Azure Resource Manager:Azure Deployment Managerの正常性統合ロールアウト
Azure Resource Manager(ARM)は、Azure上のリソースのデプロイや管理のためのレイヤーです。
2018年9月のIgnite 2018カンファレンスでパブリックプレビューになっていたAzure Resource Managerの「Azure Deployment Manager」は、複数のAzureリージョンにわたる複雑な構成のデプロイを支援する機能です。
今回、Azure Deployment Managerの「正常性統合ロールアウト」がパブリックプレビューになりました。正常性統合ロールアウトを使うと、ロールアウトを監視し、ロールアウトに問題がある場合は自動的に停止できます。
Azure Automation:Azure外サーバーの動的グループ
Azure Automationは、PowerShell/Pythonベースのプロセス自動化、構成管理、更新プログラム管理のサービスです。
Azure AutomationのUpdate Management(更新プログラム管理)で、Azure外のサーバーに対して動的グループを設定する機能が、パブリックプレビューになりました。
Azure Cost Management:AWSサポート
Azure Cost Managementは、マルチクラウド環境での使用料金の管理、監視、最適化のためのサービスです。
Azure Cost ManagementのAWSサポートが、パブリックプレビューになりました。これによって、AWSとAzureの支出を同じサービスで管理でき、マルチクラウドでのコスト管理を簡略化できます。
Azure Lab Services:VMのアドレス範囲
Azure Lab Servicesは、チーム用の環境(開発環境、テスト環境、教室ラボ環境)を短時間で提供できるサービスです。
Azure Lab Servicesで、ラボのVMのアドレス範囲を入力する機能が追加されました。
Azure Content Delivery Network:ルールエンジン
Azure Content Delivery Network(Azure CDN)は、世界中のユーザーへのコンテンツ配信を高速化するCDNサービスです。
Azure Content Delivery Networkで、ルールエンジン機能がプレビューになりました。
ルールエンジンでは、エンドユーザーへのコンテンツ提供を最適化するために、HTTP要求単位で CDNの動作をカスタマイズできます。URL のリダイレクト、キャッシュ設定の上書き、要求/応答ヘッダーの変更がサポートされています。
Azure Active Directory B2C:管理者ロール
Azure Active Directory B2C(Azure AD B2C)は、顧客のID/アクセス管理機能を提供するサービスです。
Azure Active Directory B2Cの管理者向けのロールが、パブリックプレビューになりました。
SAPのAzure統合
2019年5月7日~9日に、米国オーランドでSAPのSapphire NOW 2019カンファレンスが開催されました。これに合わせて、SAPのAzure統合に関するアップデートが発表されました。
- SAP HANA向けの6 TB、12 TB RAMのVM:Azure Virtual MachinesのMv2シリーズとして、6TB RAMのVMを5月13日に提供開始。12 TB RAMのVMを、2019年第3四半期提供予定
- Intel Optaneを使うSAP HANA向けの最大規模のベアメタルインスタンス:2019年第4四半期に提供予定
- SAPデジタルプラットフォームでのAzure AIの統合:SAPの機械学習機能が、Azure Cognitive Servicesコンテナーを活用して、顔認識とテキスト認識を実行
- AzureでのSAP Data Custodianの提供開始
- SAP HANAでのAzure Backupを使用したビジネス継続性の管理:SAP HANAデータベースに対するAzure Backup サポートが、現在パブリック プレビュー中
- Logic AppsのSAPコネクタとの簡略化された統合:SAP ECC、SAP S/4HANA向けの Logic AppsコネクタがGA
- Azure Active DirectoryとSAP Cloud Platformによる、生産性向上とセキュリティ強化:Azure Active DirectoryとSAP Cloud Platformの統合がプレビューに
- 2月に発表されていたSAP Leonardo IoTのAzure IoT Hubとの統合が、GAに
詳細は、次のページをご覧ください。
- ブログポスト「SAP HANA 用の新しい製品イノベーション、機能拡張された SAP との AI コラボレーションその他の紹介」
- ブログポスト「SAP とマイクロソフトのパートナーシップにより、ビジネス アプリケーションの中核に IoT データを提供」
- 更新情報「新しく強化された SAP コネクタが一般公開になりました」
それでは、また来週。
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