このページの本文へ

Netflixが素晴らしい3つの理由

2019年04月30日 15時00分更新

文● 上代瑠偉

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

1.Netflixは「第3の革命」を起こした

 Netflixの最高経営責任者であるリード・ヘイスティングスさんは、インターネット登場以降の映像メディアの急変を「第3の革命」と位置づけています(『日本経済新聞「コンテンツに第3の革命 ネットフリックスCEO リード・ヘイスティングス氏」』より)。

 第1の革命は、映画の誕生です。人類が多くの人々と同じ映像を共有できるようになりました。第2の革命はテレビの登場で、人々がそれぞれの自宅で映像を観られるようになった瞬間です。

 ヘイスティングスさんは、第3の革命はこれらに匹敵する革命だと言います。視聴者が時間や媒体を問わず、それぞれ好きなコンテンツに触れられるようになったからです。同社はメディア変容をドラスティックに捉え、これまでの映画やテレビにはできないことを実践しています。

 歌手で俳優のセレーナ・ゴメスさんが制作総指揮を務めたドラマ『13の理由』では、高校生ハンナ・ベイカーの自殺を巡り、物語が展開します。この作品は未成年を自殺というテーマだけではなく、セクシャル・マイノリティーへの差別や薬物乱用、性的暴力、セカンド・レイプなどの問題にも切り込んでいきます。たった1つのドラマに従来だと描きづらかった問題を詰め込んでしまうわけです。

 実写インタラクティブ作品『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』や『You vs. Wild -究極のサバイバル術-』は視聴者の選択で、ストーリーが変化します。これまで私たちはただ座ったり、寝転んだりして画面を見つめるだけで、操作はほとんどできませんでした。これらの作品はNetflixの挑戦的な姿勢を体現していると言えるでしょう。

 また、インターネットは国境を越えられるので、世界中にサービスを広められます。Netflixはイギリスの『セックス・エデュケーション』、スペインの『ペーパー・ハウス』や『エリート』、イタリアの『Baby/ベイビー』などを制作しています。

 英語を母語とするのは世界でわずか5%に過ぎないので、世界中でコンテンツを制作・配給する。それが彼らの戦略なのです(『Forbes JAPAN「こんまりのブレイクは「想定外」 ネットフリックスも驚いたヒットの裏側」』より)。

(次ページでは「2.Netflixには「等身大の若者」が登場する」)

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ