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TSUKUMOとセンチュリーマイクロの協業によって生まれたOCメモリーが爆誕!

動作電圧を変えずにOCできる「G-GEARメモリ」の実態に迫る!

2019年04月10日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラ ハッチ

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DRAM原産国まで指定して買い付ける
メモリーメーカーとしての“コダワリ”とは?

アスキー編集部:今日はよろしくお願いします。まずは、センチュリーマイクロがどのような企業なのか説明していただけますか?

嶋野氏:おそらく日本で唯一となるメモリーモジュール専業メーカーとなります。役員を入れて13名と人数は少ないものの、メモリーモジュールのプロフェッショナル集団であると自負しています。

アスキー編集部:現在はどのような製品を手掛けていますか?

嶋野氏:メモリーモジュール全般ですね。DDR~DDR4まで幅広い仕様のメモリーモジュールや、企業向けのフルカスタマイズのメモリーモジュールなどを手掛けています。いずれも、自社で基板の設計やDRAMの選定を行っています。

アスキー編集部:DRAMの話が出ましたが、選定に関しても何か“コダワリ”のようなものはあるのですが?

嶋野氏:はい。メジャーブランドの製品を正規ルートから調達するようにしています。というのも、同じ型番の製品でも、仕入れルートによってはクオリティーが異なる場合があるからです。そのため、不良率の観点から正規のルートで購入するというのは非常に重要となってきます。

アスキー編集部:仕入れルートによって不良率が異なるというのは興味深いですね。

嶋野氏:ええ、エンドユーザーからは、DRAMのメーカーや型番、マスクぐらいは把握できると思うのですが、少し内緒の話をしますと、実はDRAMの製造ロット番号には内容非公開のコードが含まれています。あるDRAMメーカーの場合、いくつかの品質グレードというものがありまして、最上位のグレードは医療機器などに使われる品質の高いものです。弊社は品質の高いコードを指定してDRAMを購入しているのですが、こういう買い方をしているメモリーメーカーは弊社だけだと思います。

アスキー編集部:DRAM以外の部材に関してはどうですか?

嶋野氏:チップ抵抗・コンデンサに関しても一流メーカーの製品にこだわって購入しています。なので去年などは品不足で確保するのが難しかったのですが、半年分ぐらい余分に買い付けることで凌いでいました。

アスキー編集部:センチュリーマイクロにとってメモリーモジュールにおける“高品質”の定義を教えていただけますか?

嶋野氏:よく聞かれる話なのですが、「どのような環境でも安定して長期間動くメモリーモジュール」を高品質・高信頼性と定義しています。

アスキー編集部:長期間というのは何か具体的な数字はありますか?

嶋野氏:途中で壊れるということはあまりなく、正直、初期不良ぐらいしか思いつかないですね。10年でも20年でも使っていただいて大丈夫です。弊社は5年保証を謳っていますが、これは、まったく同じ仕様のものを5年間であればお渡しできるということです。

アスキー編集部:ユーザー側で、メモリーモジュールが故障する主な原因はなんでしょう?

嶋野氏:静電気ですね。あとは物理破損もありますね。メモリーモジュールにヒートスプレッダを装着している製品を見掛けますが、弊社は否定的な立場です。というのも、ヒートスプレッダに熱がこもってしまうため、エアフローが十分当たっていないと冷却効果は逆に落ちてしまいます。ですが、ヒートスプレッダにも1つだけ利点があって、ユーザーがDRAMに直接触ることがなくなるため、静電気で壊れることがあまりなくなります。

アスキー編集部:ユーザー側で静電気による故障を防ぐためにはどうすればいいですか?

出繩氏:できればアースバンドを用意していただいて、筐体との電位差を無くすことが大切ですね。これは電子部品全般に言えることですが、メモリーモジュールは他の人へ直接手渡ししない様にして下さい。

アスキー編集部:モジュールの生産工程について教えてください。

嶋野氏:委託という形ですが、東京に2つ、茨城に1つ、計3つの工場で生産しています。メモリーモジュールを生産する前に、まず基板の外観チェックと板厚検査を行います。そして、メモリーモジュールが出来上がると、工場で再び外観チェックを行い、電気的検査を実施するという流れになります。さらに、弊社では工場から直接出荷するわけではなく、そのメモリーモジュールを弊社に一旦戻し、もう一度、外観チェックや電気的検査、そして実機検査を全数に対して行っています。