心のベスト10第一位はこんな定食だった
松屋は、稀代の名作「ごろごろチキンカレー」以降、鉄板で焼いた鶏もも肉に何らかのソースをかけるタイプのメニューをいくつかリリースしてきました。名前に「ごろごろ」は冠していませんが、たとえば「ケイジャンチキン定食」や「鶏と玉子の味噌煮込み鍋膳」などもその系譜といえます。
新メニューの開発に際し、肉の仕入れから焼き方までをすべて変えていくわけにもいかないでしょうから、この方法論を採用する理由はわかります。ただ、どうしてもソースの出来(と、鶏もも肉の相性)によって、完成度が左右されてしまうわけです。その点、今回のチリソースは、偶然の産物かもしれませんが、相当によくできている。
悪い点がまるで見当たらない、というわけではないです。「ソースの辛味がすこし単調で奥深い味わいにはやや欠ける」とか、「上にパラっとかけてあるネギはタマネギがあるからそれほど必要性が感じられない」とか、「生野菜およびポテトサラダとの相性はあまりよくないんじゃないか」とか、「相変わらずみそ汁はぜったいに付くんだなそもそもなんでこんな地獄の釜のように熱いんだ今に限ったことじゃないが」とか、ツッコミを入れられる余地はあります。
でも、このクオリティーの定食が650円、しかも注文すれば1、2分で出てくる。その利便性は何物にも代えがたいでしょう。牛丼チェーン店の新メニューには、特別に悪くもないけれど、絶賛するほどでもないかな、というものが少なくありませんが、これはマジで「当たり」だと思います。週7日、3食ぜんぶこれでも飽きません! などという大げさすぎる言い方はしませんが、自分の好み(鶏肉が好きなんです)を差し引いても、週に2回は食べたいと考えています。
2019年における牛丼チェーン店の新メニューランキング、個人的に暫定1位です。これを超えるメニューは今年いっぱい出てこないだろう……とまでは言い切れませんが、たぶんベスト3には間違いなく入るでしょう。辛いものがよほど苦手でなければ、マジでオススメです。ぜひ。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。
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