テクノスポーツ「HADO」の次の戦略
ファンコミュニケーション革新で観戦ビジネス拡大へ
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを控え、さらに国の「日本再興戦略2016」によるスポーツ市場規模15兆2000億円へ拡大する目標の掲示など、スポーツ産業の成長が期待されている。このスポーツの成長産業化で注目されるのがITの活用と、さらに他産業を融合した相乗効果だ。
新しい市場の創出に従来のスポーツ産業の延長戦上でなく変革による成長がキーとされている中で、注目されている事例がAR活用による新スポーツ「HADO」だ。HADOを開発・運営するmeleap(メリープ)の福田浩士CEOに話を聞き、meleapのサービスやビジネスモデルからITによる新ジャンル「テクノスポーツ」とは何かを、さらに福田氏の視点からスポーツビジネスの可能性を俯瞰的に探っていきたい。
スポーツはコンテンツが消費されず、大きな絵が書ける市場
――まず改めてmeleapのサービス内容をお聞かせください
福田 meleapでは、AR技術を活用した新感覚のスポーツ「HADO」を開発、運営しています。HADOとは、頭にヘッドマウントディスプレー、腕にはアームセンサーを装着し、エナジーボールを放ちあって戦うスポーツです。
大きくエナジーボールとシールドという二つの要素がありますが、感覚としてはドッチボールのようにエナジーボールを放って避けてという動作もあれば、シールドを盾として出し攻撃を防ぐ動作もあります。
80秒で何点を獲得できたかで競い合う競技ですが、チーム戦であるためチームとしての戦略も必要となってきます。この事業を3年前から展開しており、2018年12月に3回目となるワールドカップを開催しました。
――どうしてスポーツ市場へのビジネス参入へ?
立ち上げ当初は「かめはめ波を打ちたい」という想いが先行し、「ARで技を放つ」プロトタイプを作ることからスタートしました。これをサービスとしてどのように展開するか考えた際に選択したのが“スポーツにする”こと。スポーツであればコンテンツが消費することがなく、100年続けることも可能です。
また、スポーツマーケットを見ると、サッカーだけでも非常に大きな市場があります。同じ経済規模のビジネスを作ることができれば大きな画を描くことができます。コンテンツが消費されないこと、潜在マーケットが大きいこと、この二点が決め手でした。