このページの本文へ

TISのレガシーシステムモダナイズサービスとNutanixクラウド基盤ソフトを組み合わせ提供

“DXの足かせ”“2025年の崖”解消を、TISとNutanixが協業

2019年02月04日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 システムインテグレーターのTISとニュータニックス・ジャパン(Nutanix)は2019年2月1日、メインフレームなどのレガシーシステムの刷新(モダナイズ)を支援するサービスの提供に向けた協業を発表した。TISが提供する「Xenlon~神龍(シェンロン) モダナイゼーションサービス」において、移行先インフラとしてNutanixの仮想化/ハイブリッドクラウド基盤「Enterprise Cloud OS」を積極的に顧客提案していく。

 記者発表会には両社が出席し、レガシーシステムが日本の企業/組織における「デジタルトランスフォーメーション(DX)」推進の阻害要因となっていること、そしてレガシー脱却とモダナイズを後押しする今回の取り組みについて説明した。

TISとNutanixによる今回の協業の概要。レガシーシステムのモダナイズをアプリケーション/インフラの両面から支援する

TIS 執行役員 インダストリー事業統括本部 公共事業本部 モダナイゼーションビジネス事業部長の矢野学氏

ニュータニックス・ジャパン コーポレートマネージングディレクター兼社長の町田栄作氏

モダナイゼーションサービスの「推奨クラウド基盤モデル」としてNutanixを選択

 TISでは2017年から、レガシーシステムのモダナイゼーションサービスとしてXenlonを提供している。これは、事前の簡易アセスメント/プロトタイプ検証、アプリケーションのリライト、アプリケーションとインフラの移行、移行後の保守運用といった一連のサービスを提供するもの。クラウドやオープンプラットフォームへの移行(リフト)後に、リファクタリングなどシステムの最適化/最新化(シフト)も継続的に実行していく“リフト&シフト”の戦略をとり、将来的な最新技術/サービスの適用も可能にする。

TIS「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」の概要

 ただしこれまでのXenlonでは、システム移行先インフラは顧客ごとに環境を提案/設計する仕組みだった。今回の協業を通じて、ここにNutanixプラットフォームを適用する「クラウドプットフォーム提供サービス」を追加し、オンプレミス/ハイブリッドクラウドの幅広い顧客ニーズに対応したインフラの提案を行う。

 TIS矢野氏は、Xenlon提供開始後の1年間で顧客における“クラウド志向”が高まっており、それに対応すべくクラウドベースのリファレンスモデルを検討した結果、「われわれ(TIS)が目指すモダナイゼーションのイメージと合致していた」NutanixのEnterprise Cloudを選択したと説明する。

 TISでは2013年からNutanixのインテグレーションを手がけており、クレジットカードや金融のシステムなど450件以上の導入実績を有する。またTIS社内のシステムや、TISが提供する専有型IaaS「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service-HOSTED PRIVATE Service」の基盤としても、Nutanixを多数採用してきた実績がある。Nutanixを選択した理由のひとつがこの「実績」だと説明する。

 さらに、比較的オンプレミス志向が強いレガシーシステムの移行先として、オンプレミス/プライベートクラウド/パブリッククラウド間でシームレスな環境を実現できる点も評価されたようだ。

 「(モダナイゼーション時の移行先インフラとして)業種によってはいきなり『全部パブリッククラウドでやりたい』と希望されることもある。ただし検討を進めていくと、やはりいったんはオンプレミスやTISのプライベートクラウド(専有型IaaS)に移し、そのうえでパブリッククラウドの使い方を徐々に検討していこう、となるのが一般的な流れだ。また、(今後モダナイズを検討するであろう)大きなレガシー資産を持つ金融機関では、やはりオンプレミス志向が強いのではないか」(矢野氏)

 今後、TISとNutanixでは共同マーケティングを展開し、2022年までに50億円規模の受注(関連サービス含む)を目指すとしている。

TIS、Nutanixによる今後の取り組み予定

日本企業のDX阻害要因、「2025年の崖」を生む技術的負債の解消を訴え

 両社による今回の取り組みの背景には、日本企業/組織においてレガシーシステムが「技術的負債」となり、維持コストの増大や人員リソース不足を招いてDX推進を妨げているという現状がある。

 矢野氏は、今回の協業によって「レガシーシステムの技術的負債を早期に解消して、クラウドで次々に生まれてくる新たなサービスを柔軟に活用できる、最適化されたシステムに生まれ変わらせる」ことを狙うと説明する。両社発表において、特にモダナイゼーションを進めるべきターゲットとして明示されているのは「社会インフラ業界」だ。

 またニュータニックス・ジャパンの町田氏も、昨年同社が実施した「Nutanix Enterprise Cloud Index」の調査結果や、経済産業省が昨年発表した「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」を引用しながら、レガシーシステムを温存し続けることの問題点を指摘し、その解消を促したいと語った。

 「(レガシーシステムでは)これまで“クラ-サバ(クライアント/サーバー)”の世界が25年間続いてきたことで、『ブラックボックス化』と『サイロ化』の両方が進んでいる。日本企業は、この2つの命題にチャレンジしていかなければならない」「国としては、この課題が2025年までに解決されなければ、非常に深刻な事態が生じると警告している」(町田氏)

 矢野氏も、約8割の日本企業がレガシーシステムを抱えており、約7割の企業がそれを「DXの足かせになっている」と感じているという日本情報システムユーザー協会(JUAS)の企業調査結果を紹介し、即座に取り組みを始める必要性を強調した。

日本情報システムユーザー協会(JUAS)の企業調査でも、レガシーシステムがDX推進の大きな「足かせ」となっている実態が明らかに

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ビジネス

    最大5つのプロジェクトをひとつの“ガントチャート”に Backlogに俯瞰が捗る新機能

  2. 2位

    TECH

    二酸化炭素を資源に変える新触媒、新しい合金を電気で合成

  3. 3位

    クラウド

    NTTドコビジが「GPUaaS」提供へ 1分単位で利用でき、ハイブリッド構成も可能

  4. 4位

    デジタル

    ヤマハ、RTX1300の「ひかり電話アダプターモード」を解説する無料ウェビナーを10月15日に開催

  5. 5位

    TECH

    「PC調達はもはや経営層が考えるべき課題」 “侵入前提”時代に問われるエンドポイントの真価

  6. 6位

    sponsored

    スマホで「誤差数センチ」の高精度測量! レフィクシア「LRTK」が現場を変える

  7. 7位

    ソフトウェア・仮想化

    Microsoft IQとは? AIエージェントが必要とする理由は? マイクロソフトの担当幹部が解説

  8. 8位

    デジタル

    クリーニング屋が人手不足を“人手以外で”解決 一度は手放したkintoneを復活させ、AIで販管費を半減するまで

  9. 9位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  10. 10位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

集計期間:
2026年09月27日~2026年10月03日
  • 角川アスキー総合研究所