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EOS RとRF35mm F1.8で美しき古都・京都を巡る

2019年02月02日 12時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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超有名観光コースを巡る

 日中の京都はどうしても混雑しがちだ。今ではインバウンド需要もあり、有名な寺院はどこもごった返している。そこでJR東海は、人が誰もいない早朝に寺院に入って巡れる「いちばん乗りツアー」を企画。写真に人が映るのはちょっと……と思っていたので、試しに参加してみた。

 ツアーは3コース。1つは国宝・五重塔で知られる東寺の朝焼けを見るもの。2つ目は平成の大修理をしている清水寺と10円玉の表面で知られる平等院鳳凰堂を巡る旅。3つ目は枯山水の庭で知られる龍安寺と仁和寺を巡るものだ。今回はそのうち、東寺と清水寺&平等院鳳凰堂を巡った。

 まずは東寺のツアーから。このツアーは、3月24日、30日、31日の3日間のみ開催され、朝5時50分集合と早いながらも、夜間ライトアップされた五重塔が、朝焼けによって風情のある表情へと変わる姿を見ることができる。

 撮影した日はライトアップ期間ではなく、さらに言えば雲が厚くたちこめていたが、朝焼けに照らし出した五重塔の姿は、まさに古都らしい風景を思わせる。感度をISO3200まで上げてもノイズ少なく撮ったその姿は、侘び寂びの世界を感じさせるもの。

 ちなみに別ツアーになるが、7時からは五重塔の初層のほか、国宝・金堂と講堂が拝観できる「早朝桜と五重塔貸し切り特別拝観」も行なうそうだ。こちらも合わせてチェックして欲しい。

 続いて現在、平成の大工事をしている清水寺へ。清水寺の参道には、仁王門と西門という2つの門がある。(いずれも重要文化財)

 そのうち西門は、古来より一般の参拝者が通行することは叶わず、昔は天皇の勅使だけが通れたことから「勅使門」とも呼ばれている。今回のツアーではその西門の中が見学できる。

 鎌倉時代に作られたという二天像が守るこの西門の中は、極彩色に彩られて圧巻の一言。古来の人は、極楽浄土をこのようにイメージしていたのだろうと思わせる。そして、門の正面から見える西の山々に沈む夕日を見て、西方の果てにあるとされる「極楽浄土」を夢想したという話を住職から伺うにつれ、何か仏教の教えの片鱗を感じた気がした。実際のコースでは朝の暗い時間になるため、眼下には街の灯りを見ることができるだろう。

 その他、撮影禁止のため撮ることは叶わなかったが、一般公開されていない講堂の中を見学できるほか、誰もいない本堂で特別にお経をあげてくれるという。

 さらに、現在工事中である清水の舞台のある本堂の話を聞かせてくれた。それだけでもこのツアーに参加する価値はあるだろう。

 そしてツアーは宇治にある平等院鳳凰堂へ。残念ながら私が撮影した写真をお見せすることはできないのだが、平等院の正面は東向きで、朝日を浴びて水面に浮かぶ平等院鳳凰堂の姿は見事の一言だったことをお伝えしたい。そして35mmの画角では、池の端から全景は入らないものの、少し引けば入ることもお伝えしよう。

 1000年の歴史ある鳳凰堂の中は普段も一般公開されており、国宝・阿弥陀如来像のほか、26体の雲中供養菩薩像の模刻像を見ることができる。ちなみに雲中供養菩薩像(全部で52体)も国宝で、それらは鳳翔館と呼ばれる敷地内のミュージアムで鑑賞できる。

 ちなみに我が国の国宝は現在1116が指定されているが、そのうち仏像を含む彫刻は136のみ。そのうち平等院には、阿弥陀如来像と雲中供養菩薩像(52体で1件)、さらに鳳凰堂に飾られている木造天蓋も国宝なので3件が集まっている。

 その後ミュージアムを訪れて、本殿内は極彩色に彩られて、雲中供養菩薩像にも色付けされていることを知ると、鳳凰堂が極楽浄土を表現していたことを知った。ツアーはその後、茶房でご住職のお話を伺うことができるそうだ。

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