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業界人の《ことば》から 第325回

業界のAmazon目指す、アルヒは住宅ローン市場で1位になれるか

2019年01月15日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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記入項目を最大50%削減

 一例が「ARUHI暮らしのサービス」だ。約70社と連携して、住まいと暮らしに関わる多様な優待サービスを提供している。住宅ローンを申し込んで住宅の購入が決まれば、引っ越しや家具および家電の購入、電力やインターネットの申し込みなども必要になる。それらのサービスを優待価格で利用できるのがこのサービスの特徴。リフォームや家事代行サービス、リサイクル、子育てなど、サービス内容は多岐に渡る。

 一方で、アルヒでは不動産情報も提供する。これに住宅ローンの「簡易事前審査」および「家探し前クイック事前審査」を組みあわせて、最適な物件を逃すことなく購入できるような支援もしている。

 ここでは2017年1月から導入したRPA(Robotic Process Automation)により申し込み記入項目を最大50%削減することで、「簡易事前審査」および「家探し前クイック事前審査」を最短1分で可能にしたことも見逃せない取り組みのひとつだ。

 人が書類を印刷し、膨大な量のマニュアルを見ながらチェックをしていた審査作業がRPAの導入で、チェックすべき項目を選定し、自動判定したり、人のチェック作業をアシストしたりする。こうした取り組みを進化させ、2019年3月までに、住宅ローン審査の自動化を実現する予定だという。

 「優良な住宅物件はすぐに売れてしまう。買い逃してしまうことは個人にとってマイナスになるだけでなく、不動産業者にとってもビジネスチャンスを失うことになる。RPAの活用によって融資の可否を迅速に行なうことができ、さらに家探し前クイック事前審査によって、まだ具体的な物件がない場合でも融資可能な額を審査できるようになる」(アルヒの浜田会長兼社長)

 将来的にはこれらのサービスとAIスピーカーなどと連動させ、より簡単に物件を探せるようにする考えだ。

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