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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第160回

ダミーの.50 Cal弾を3年かけて53個集めました

2018年12月30日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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発射用火薬が一体化された現代の弾

 戦国時代のドラマで火縄銃が出てくると、必ずと言っていいほどあるのが着火のシーン。引き金を引くと火のついた縄がカチンと下りて、弾が発射されるというあのシークエンスです。

 火縄が下りた先には火皿という小さな窪みがあり、そこに点火薬が入れられています。点火薬が発火してその火が発射筒の中に伝わり、黒色火薬が爆発して弾丸が飛び出すという仕組みです。

 戦いが始まることを「火蓋を切る」といいますが、この火蓋は火皿のカバーのこと。閉じておくことでうっかり発射してしまうことを防ぐ安全装置となっていて、引き金を引く直前に火蓋を切る(開く)のです。いざ開戦! というわけですね。

 この装填方法や着火の仕組みは、19世紀になって後装式の銃の実用化が進むとともに変化し、弾は紙製薬莢というものになりました。これは早合をさらに進化させたようなアイデアで、弾頭と発射用火薬、衝撃で発火する雷管という点火薬をひとまとめにして紙で包んだものです。

 薬莢は「やっきょう」と読みますが、莢は訓読みだと「さや」。マメ科の植物のタネが入っている殻ですね。火薬が入っているケースという意味です。

 紙製薬莢の装填は銃の後ろから差し込むだけ。火縄もなくなり、引き金を引くと針が刺さって雷管に衝撃を与え、点火薬が発火して発射用火薬に着火します。装填方法も着火方法も火縄銃とはずいぶん変わりました。

 現代の弾も基本構造は紙製薬莢と同じで、違うのは薬莢の材質が紙から金属になった点と、針で突き刺すのではなく、後部に取り付けられた雷管を撃鉄で引っ叩いて発火させる点です。

.50 Cal弾。使用済み薬莢に偽物の弾頭がセットされたダミー品ですが、実物も見た目はこんな感じです

 弾は実包とか弾薬などと呼ばれます。英語ではカートリッジ。弾薬箱のマーキングのCartridgeはこれのことです。金属製の薬莢の中には発射用の火薬が詰められ、先端に弾頭が差し込まれています。

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