超大物が飛び出した10月
10月に登場したカメラは超大物。フルサイズミラーレス一眼のキヤノン EOS Rである。デジタルカメラトップシェアを誇るキヤノンが、春にAPS-CサイズでEOS Kiss Mを、秋にフルサイズミラーレスのEOS Rを投入したことで、一眼レフからミラーレスへって動きが加速された感がある。EOS MシリーズとEOS Rではマウントが違うのでレンズは共通で使えないってのはちょっと罠だ。
EOS Rは画質もさることながら、暗所でのAFが素晴らしい。めちゃ暗くてもすっとピントが合う。というわけで暗い公園で夜猫を。
11月はニコンの2台目ミラーレス一眼、Z 6が登場。Z 7と基本的には同じだが、画素数が約4575万画素のZ 7に対して、Z 6は約2450万画素と画素数が少ない。でもその分高感度に強くて連写も速い。そして何より価格がぐっと安い。ハイエンド機ならではの大きくて見やすくて自然なファインダーを搭載しつつ価格はミドルクラス並。というわけで、買うのなら(よほど高画素ラヴな人じゃない限り)こっちを勧めたい。
少しずつ冷えてきた11月。人に見つからない草むらの中で、なおかつ陽射しが当たるところを見つけて気持ち良さげに寝ているチャトラのハチワレ。起こさないようにそーっと撮ってみた。
11月はもう1台、コンパクトデジカメを。2014年に発売されて以来、後継機がなかったので「ああ、1代限りで終わっちゃったかな」と思われていたパナソニックのLX100にMark IIが出たのだ。発売は10月だったけど、撮影したのは11月ってことでこちらに。
このLX100 II、前モデルと基本デザインは同じながら中身はフルモデルチェンジ。イメージセンサーはマイクロフォーサーズ機と同じものを使い、他のコンパクトデジカメよりワンランク上の画質を実現した。しかもマルチアスペクトで4:3でも16:9でもOKである。
3:2モードにして白くてふさふさした猫を真正面から。真正面でじっとこっちを向いてくれたのでこちらも真正面から正々堂々と這いつくばって撮影。モニターがチルトしないとか、望遠がちょっと弱いとか、猫撮り用としてオススメできるかといわれると微妙だけど、写りはよいのでカメラ好きにぜひ。
そして12月……は特にこれといった新製品がなかったので、新しく購入したレンズ、シグマの「56mm F1.4 DC DN」で撮った猫を。
夏に購入した「30mm F1.4 DC DN」が気に入ったので、その兄弟レンズである「56mm F1.4 DC DN」の発売を待っていたのだ。マイクロフォーサーズ機で猫を撮るには最適のレンズ。コンパクトで軽いから、バッグの片隅にちょこんと突っ込んでいけるのもいい。
夜、低い塀の上にちょこんと座っている子猫の後ろ姿を狙ってみた。
フルサイズミラーレス一眼でクオリティを追求するか、APS-Cサイズやマイクロフォーサーズのミラーレスで機動力をもって身軽に撮るか、どっちもアリなのだ。2年ほど前に、自前のカメラを完全にミラーレス化したわたしとしては感慨深い展開である。
なお、2018年、他にも注目すべき新しいカメラは登場したけど、さすがに全カメラで猫写真を撮れたわけじゃないので、ご勘弁を。2019年はさらにいろんなカメラが出てきそうなので期待しつつ、よいお年を!
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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