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JH Audio×Astell Kernの新コラボイヤホンは、ビートの再現が素敵

マイケル・ジャクソンの名曲「Dirty Diana」の名前を冠したイヤホン「Diana」

2018年12月25日 18時50分更新

文● きゅう 編集●ASCII

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コンパクトで耳へのおさまりも良好、ハッキリとしたサウンド

 Astell&Kernの「A&ultima SP1000」と組み合わせて、Dianaのサウンドを確かめてみた。まずは耳へのおさまりなのだが、筆者としては申し分なかった。仮に再生能力が高いイヤホンだとしても、遮音性が低いとその実力が発揮できないためフィット感は重要なポイントだ。

 音調については、低域が充実しており、しっかりと腰が据わったサウンド。また混濁しがちなベースやドラムなど、リズム帯の分離もよく、ビート感や音程感が明確だ。この再現力の高さはJH Audioらしい特徴と言える。

 文章にする際には、どうしてもこの低域に関心が向かってしまうが、味付けは最小限で、全体としてはストレートに楽曲の情報が伝えるイヤホンである。トーンバランスとしては、ピラミッドバランス~フラットバランスの中間ぐらいで、高域もよく伸びた、癖のないサウンドを出す機種と言えるだろう。ロック向きのイヤホンやステージ利用を想定したイヤモニでは、高域が丸まったウォームな傾向のものも多いが、この機種は高域もきちんと抜ける。

アルミ製のハウジングはサイバーとまではいかないまでも、現代的で明るい雰囲気。

 SP1000でバランス駆動して再生すると、音の切り込み感が増す印象。ベースやドラムのサウンドが明瞭かつ正確になるし、休符やちょっとした間、ニュアンスなども伝わりやすくなる。アンバランス駆動では、全体がもう少しなじむというか、まとまった印象になる。

 音楽ジャンルとしては、やはりロックが最適。ただし、ビート感のある元気なポップス系のサウンドとの相性もよい。低域の芯があり、中高域のニュアンスも明晰なので、女性ジャズボーカルなどもいいだろう。音の輪郭が明瞭なので、細かな情報を感じ取れる機種だが、分析的になりすぎてはちょっとつまらないという人に合っているのではないだろうか。

高価だが納得のいく仕上がり、テイストが合う人にはいい選択肢

 さて、筆者は最も高価な「Layla II」から最安価の「BillyJean」まで、ひととおりAstell&Kern×JH Audioのコラボモデルを聞いてきている。まずは、価格帯や製品の特徴などの先入観を持たずにDianaのサウンドをチェックした。ロック、ポップス、ジャズボーカル、オーケストラ伴奏の合唱曲など一通り聴いた感想は「予想以上にいい」というもの。

 素朴な感想で申し訳ないのだが、特に魅力的に思えたのは、3ドライバーの比較的シンプルな構成でありながら、Layla IIの雰囲気を彷彿とさせるものがあり、かつサイズ的にも扱いやすい点である。

バンナイズの同梱ケースもできがいい。

 筆者はMichelleを愛用していて、これはこれでいいイヤホンなのだが、空間の広さや高域の繊細さなどが目立って、ほかのJH Audio製イヤホンよりは少し優等生的な感想を持っていた。Astell&Kernとのコラボも、このところMichelleやBillyJeanなどユーザーの裾野を広げる方向に進んでいたので、JH Audio製品としてのキャラクターはやや薄まっている印象もあった。そんな中でDianaは、大げさな機種ではないが、上位機の雰囲気を受け継いだ感じがあるのがいい。

 とはいえ、価格は実売で9万円台とのことで、安価な機種とは言えない面もある。マルチドライバーのイヤモニでは10万円を超す機種も珍しくないので、法外に高い感じはないが、手を出せる人は、やはりこの音を本当に気に入った人になるだろう。

 価格を聞いた筆者の感想としては「このサウンドであればこのぐらいの価格になるのだろうな」というもので、それほど驚きはなかった。言い方を変えれば、好みの問題を考慮しなくても、「価格に見合ったサウンドは最低限手に入る」ということでもある。

 金属製筐体の質感は、樹脂製のMichelleやBillyJeanと比べても優れているし、音質チェックのリファレンスにしたという「SP1000」や「SP1000M」と組み合わせたロック系楽曲の再生は確かに素晴らしいので、予算が許す人は一度検討してほしい。

 個人的には、標準添付のケーブルのできがよく、単体販売も検討してほしいと思った。太くてごついが、柔らかく取り回しの不便さは感じなかった。上位機のケーブルは、安定性の高い独自端子や低域の量を調整するためのツマミ(Variable Bass)などを持つ一方で、汎用性がなかった。このケーブルであれば、IEM 2pin端子の様々な機種と接続ができるし、バランス/アンバランスの効果も気軽に聴き比べられる。MichelleやBilly Jeanのグレードアップ用にも面白いと思う。

標準ケーブルの端子は2.5mm4極。ただし変換ケーブルが付属する。

Astell&Kernロゴが端子部にあしらわれている。

 最後に、Dianaに興味を持った人へ。この製品は、JH Audioが開発したものだが、コラボイヤホンと言うことで、製品情報自体はAstell&Kernのサイトに掲載されている。この秋から、JH Audioの販売代理店がカスタムを含めてアユートになったため、同社のサイトからはどちらのブランドへのリンクもあるが、JH Audioのほうには情報がないので、Dianaについて、より詳しい情報が知りたくなった人は注意してほしい。

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