Sandbox高速化するために実行環境のスナップショットを残す
Sandboxでは起動を高速化するため、起動したあとに実行環境のスナップショットをファイルに保存できるようにした。こうすることで、次回以降の起動を高速化できる。これをマイクロソフトでは「Snapshot and clone」と呼んでいる。
グラフィックス、特にGPUに関しては、ゲストWindows側のグラフィックスドライバーやシステムコンポーネントが、直接ホストWindows側のデバイスドライバーやシステムコンポーネントと通信できるようにしている。
このためにホストWindowsでは、WDDM 2.5以降に対応したGPUドライバーが備える「仮想化支援機能」を使う。この場合、GPUハードウェアの仮想化は行なわれないため、システム負荷が軽減し、応答時間が短くなるという。また、バッテリー駆動時にGPUが大量に電力を消費してしまうことも防げるとしている。なお、WDDM 2.5以前のGPUドライバーが使われた場合、物理GPUの機能は使われず、ソフトウェアベースのレンダリング技術により表示されることになるようだ。
いきなり登場したように見えるWindows Sandboxだが、よく見ると、すでにある技術をうまく組みあわせて作り上げられたもののようだ。
ソフトウェアを評価するような業務や、さまざまなソフトウェアを動かす必要がある場合には、システムへの影響なしにソフトウェアを動作させることができるSandBoxは非常に有用な機能と言える。つまりこれはあくまでテスト環境でしかなく、ユーザーの利便性が向上するという機能でもない。いまのところ19H1には、コレといった特徴もなく、SandBoxが目玉だとすると、ちょっと残念な感じはある。今後の開発に期待したい。
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