外の企業と積極的に手を組んでいく
EMS事業では中核となっているロボティクス事業を切り出して、独立した事業として確立。一方で、アプリ開発やサーバー運営、クラウドサービスなどを提供する企業と、テクニカルパートナーという形で連携し、ロボット開発を促進する考えも示した。さらに、農業分野向けのアグリテック領域にも、VAIOのモノづくり力を活用するという。
ソリューション事業はVR事業に加えて、ブロックチェーンを活用した新規事業の立ち上げにも挑む。「ソリューション事業は、『探索モード』を速く終了させて、事業化させていく」と、第3の柱の構築にも積極的に取り組む姿勢だ。
「VAIO全体として製品拡充を続ける一方、人員拡充、人材登用、デジタルマーケティング強化、外部人材を招聘しながら、営業を強化。開発と営業の両輪を回すことになる」と吉田社長は語る一方、「限られたリソースだけでは足りない。しかも、200億円規模の会社が成長するには、自社のリソースだけにこだわっていては成長できないと考えている。足りないものは、外の企業と積極的に手を組んでいくことになる。できないことは一緒になってやるというどん欲さを持ちなから、VAIOを成長させていく」と語る。
「上場という目標はあるが、その前にやらなくてはならないことがたくさんある。強い事業構造を作り上げることができたら、上場が具体的な議題にあがるようになるだろう。いまは、長期の仕込みに力を注ぐことを優先したい」
次の成長に向けた準備が整いつつあるというのが、VAIOの現状だといえる。
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