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3つのゲームモードをはじめ便利な機能多数搭載

FPSゲーマーにオススメ最大165HzでG-Sync対応27型ワイドディスプレー

2018年10月31日 07時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

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「XB271HUbmiprz」

 垂直同期を無効にしてゲームをプレーしていると、急に視線を左右に振った際、画面にチラつきが発生する「ティアリング」が気になっている人は少なくないはずだ。それならばと、垂直同期を有効に変えると、今度は画面のカクツキ、いわゆる「スタッタリング」が起こる場合がある。とくにハイエンドなGPUを使っているコアなゲーマーほど、こういった現象を目にする機会が多く、わずらわしく思っているのではないだろうか。

 ティアリングやスタッタリングの対策として有効なのが、NVIDIAの「G-Sync」やAMDの「FreeSync」といったディスプレー同期技術である。今回紹介するエイサーの27型ワイドディスプレー「XB271HUbmiprz」は、G-Syncに対応した製品で、同社のゲーミング向けブランドとして展開している「Predator」シリーズに属するモデルとなる。では、XB271HUbmiprzはどのようなディスプレーなのか詳しく見ていきたい。

チルトやスイベルなど細かな調節機能
OSDメニューに3つのゲームモードを搭載

 XB271HUbmiprzの液晶パネルには、IPS方式で反射のないノングレアタイプを採用し、解像度は2560×1440ドットまで対応する。中間階調応答速度は4msと高速で、リフレッシュレートはオーバークロック時に165Hzに対応する。リフレッシュレート165Hzを利用するには、OSDメニューの「オーバークロック」という項目から有効に変更し、最大リフレッシュを165に設定する。

 なお、XB271HUbmiprzでは映像入力インターフェースとして、HDMI 1.4とDisplayPort 1.2の2系統が用意されているのだが、165Hzに対応するのはDisplayPort側だけで、HDMI側は60Hzまでしかサポートしない点は注意してほしい。また、オーバークロックを適用しない通常時は、DisplayPort側がサポートするリフレッシュレートは144Hzまでとなる。

映像入力端子はHDMI 1.4とDisplayPort 1.2の2系統。リフレッシュレート165HzとG-Syncに対応するのはDisplayPort 1.2側だけだ

OSDメニューの「オーバークロック」という項目から、リフレッシュレートを165Hzに変更しているところ

 さらに、XB271HUbmiprzではG-Syncをサポートしているが、こちらもDisplayPort側のみとなる点は覚えておきたい。なお、デスクトップがGeForceのビデオカードを搭載している場合、本製品と接続するとNVIDIAコントロールパネルに「G-Syncの設定」という項目がという項目が表示され、G-Syncに関する設定変更が可能となる。

GeForce RTX 2080 Ti搭載PCにXB271HUbmiprzを接続すると、NVIDIAコントロールパネルからG-Syncに関する設定変更が可能となった

 XB271HUbmiprzのコントラスト比は1000:1で、輝度は350cd/m2と画面は比較的明るく、白黒がかなりハッキリ付いている印象。画面表示もきめ細かい。若干明るすぎて目が疲れるような懸念が残るが、眼精疲労の原因といわれるブルーライトを低減する「BluelightShield」や、チラつきを抑える「Flickerless Technology」といった機能が用意されているので、心配はない。

 デフォルト設定が暖色のため、若干黄色み掛かった色合いだ。なお、視野角は水平と垂直ともに178度と広く、正対する位置からずれて画面を見ても、色むらはなかった。

OSDメニューの「画質調整」からBluelightShieldを適用し、ブルーライトのカット量を80%に設定している様子

 外観は黒一色でまとめられ、中央下部にPREDATORロゴをプリント。落ちついた中にスタンドの赤色などが映えるデザイン。さらに、フレームは実測で3mmほどしかなく、余白を加えても幅は7㎜と非常に薄い。そのため、本製品を並べてマルチディスプレー環境でゲームをプレーする場合でも、余白に違和感を覚えないはずだ。

 さらに、最大で150mmの高さ調節が可能なほか、チルト調節は上35度下5度、左右のスイベル調節は30度ずつそれぞれ用意されている。時計回りと反時計回りのそれぞれ90度回転させるピボット機能も利用可能だ。実際に使ってみると、これらの調節機能は非常に使い勝手がよく、画面を自分の目線に簡単に合わせられる。

フレーム幅を薄くした「ゼロ・フレームデザイン」を採用。余白を含めてもその幅は実測で7㎜ほどしかなかった

ピボット機能にも対応しており、画面を縦にすることも可能。そのため、ゲーミングだけでなくビジネスなど幅広い用途に利用できる

 OSDメニューの操作は筐体右下に用意された5つのボタンで可能。前面からアクセスできるため、操作性は良好だ。OSDには「Empowering Technology」により、「ムービー」「グラフィック」「標準」「ECO」「ユーザー」と用途に合わせた5つの動作モードが用意されているのだが、このXB271HUbmiprzがユニークなのは、それとは別に3つのゲームモードを有している点だ。

 これら3つのゲームモードは設定1~3として用意されており、設定1ではブライトネスが27に抑えられ、FPS表示が有効になるといったやや暗めの設定内容。設定2では、ブライトネスが50に上昇し、オーバードライブが有効、つまり応答速度を高速化することが可能となる。そして、設定3は設定2からブライトネスが再び45に下がるが、カラー設定が寒色、つまり青みの色相が強い内容となる。ユーザーはプレーするゲームに合わせて設定を選択することになるが、内容は自由に変更し、保存することも可能になっている。そのほか、暗いシーンの視認性を高める「Dark Boost」やFPSゲームの照準を画面中央に表示するといったゲーミング向けモデルらしい機能も用意されている。

筐体右隅に搭載されたOSDメニュー操作用のボタン。アクセスが容易なため、その操作性は良好だ。なお、一番右のボタンは電源オン/オフ用

Empowering Technologyで用意された5つの動作モード。ユーザーの利用するシーンに合わせて設定を容易に変更することが可能

表示は「1」「2」「3」と非常にシンプルだが、ゲームモードとして3つの設定を搭載し、それをユーザーがカスタマイズすることもできる

 また、XB271HUbmiprzでは4ポートのUSB 3.0(Type-A)端子を装備。キーボードやマウスといった周辺機器をXB271HUbmiprzに接続、つまりUSBハブとして利用すれば、デスクトップから少し離れた場所であっても、ケーブルが届くかどうかを心配する必要もないというわけだ。

用意されたUSB 3.0ポートは4つ。うち2つは左側の背面に外向きで、残り2つは下向きに備わっている

高フレームレートを活かせる製品
価格は8万3000円前後だが十分魅力的

FPSゲーマーにオススメ

 XB271HUbmiprzの実売価格は8万3000円前後と、27型液晶ディスプレイとしてはゲーミング向けモデルらしく比較的高価。しかし、リフレッシュレート165Hzに対応している点や、G-Syncのサポートは、ゲーマーにとっては魅力的な機能であり、これらの機能を考慮すると、かなりお買い得感は高い。

 とくにFPSゲーマーにとっては、より有利にゲームを運べるため、高フレームレートを活かせるディスプレーがほしいところ。そういったニーズに応えられるモデルとして、XB271HUbmiprzはおすすめの製品だ。

試用機の主なスペック
製品名 XB271HUbmiprz
ディスプレーサイズ 27型ワイド(IPSパネル、ノングレア)
最大解像度 2560×1440ドット(WQHD)、16:9
表示色 約1670万色
色再現性 100%sRGB
可視角度 水平178度/垂直178度
輝度 350cd/㎡
コントラスト比 1000:1
応答速度 4ms(GTG)
インターフェース USB 3.0端子×4、HDMI 1.4端子、DisplayPort 1.2端子、ヘッドフォン端子
角度・高さ調整 チルト角:上35度/下5度、スイベル機能:右30度/左30度、高さ調整機能:最大150mm、ピボット機能:90度時計回り/90度反時計回り
サイズ およそ幅612×奥行268×高さ401~551mm

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