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インテルの5G戦略 Qualcommとの競争や日本市場への取り組み

2018年10月27日 11時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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クアルコムはライバルではない
5Gとはなにかを消費者につたえていく必要がある

――Qualcommやファーウェイなどと比較して、インテルの競争優位性はどこにあるのですか?

 Qualcommとインテルとの比較は、リンゴとミカンのようにまったく違うものを比べるようなものだ。2社はともにモデムを出荷しているがまったく違う企業だ。我々はRANやエッジコンピューティングなどネットワークも大切だが、Qualcommはネットワーク側での取り組みはない。インテルはエンドツーエンドで展開しており、我々にとってワイヤレスは5Gの1つの要素に過ぎない。

 モデムを見ても、インテルはマルチモードモデムだがQualcommはシングルモードだ。顧客からは、マルチモードモデムは5Gで重要だという声をもらっている。

 ファーウェイは、ネットワークではインテルベースのソリューションを使っており、ここでは競合ではない。クライアントでは垂直型のビジネスモデルで、自社のモデムを他者に提供していない。ここが我々と異なる。

――米国ではVerizonが年内に5Gを開始すると発表するなど、5Gに向けたオペレーターの競争が加速しています。

 確かに、最初に5Gを提供しようという競争がある。米国だけではなく、韓国、中国、米国、日本でもその熱を感じる。前倒しでスタートしたいオペレーター側の熱気を受け、ベンダーはネットワーク側、モデム側とともにプレッシャーがたくさんある。

 最初の5Gネットワークが今年末から来年初めにスタートすると、ユースケースの理解が進み、デバイスが登場する。本格化は2020年と見ている。

――実際の消費者はどうでしょう? 4Gよりも料金が高い場合、その価値があると考えているのでしょうか?

 これは業界全体のチャレンジになる。5Gとは何かを消費者に伝えなければならない。消費者はネットワークがどのG(世代)かは気にしていない。対価を感じるのは体験だ。高速なアップロードやダウンロード、鮮明で途切れのないビデオ、没入型体験などだ。

 高速で低遅延なネットワークを使って何をするのかはまだわからない。動画はHD動画をダウンロードして視聴するだけでなく、誰もがパブリッシャーになるだろう。消費者が動画をパブリッシュするニーズは高い。これは5Gのアプリケーションの1つになるだろう。

――日本での取り組みについて教えてください。

 さまざまなプレイヤー、エコシステムと話をしている。5Gでは時間をかけて進化する”ジャーニー”であり、変化するだろう。

 まずはオペレーターと5Gが動くかどうかを見ている。28GHz帯などの周波数や技術は使えるのかなどだ。これらのことをこの2~3年やってきた。日本では、スポンサーを務める東京五輪でNTTドコモなどと提携しており、ユースケースにフォーカスしたトライアルを展開している。

 NTTドコモはフォーカスを拡大し、業界とエンゲージするエコシステムプログラムを構築している。どうやって5Gの受け入れを加速するか、消費者から拡大するかを考えるのが目的だ。(日本で)最初の5Gネットワークは2020年と言われているが、たくさんのコンシューマー向けアプリケーションのほか、産業、自動車などにも拡大するだろう。

 これらが5Gネットワークによりどのように製品の機能を拡大できるか。抱えている問題を解決できるかは業界にとって重要だ。我々もこれまでとは異なる企業や役割の人と話をし、企業が感じている課題をともに解決しようと取り組んでいる。

 トヨタとも提携を発表している。5Gを利用する様々な自動車向けのアプリケーションがある。HDマップのダウンロード、インフォテイメント、エッジの処理などだ。トヨタは自動車以外にも様々な取り組みがあり、可能性を感じている。

 このようにさまざまな取り組みがあるが、現在のフェイズとしては、どうやってユースケースをドライブするか。そのユースケースを5G上に実装すると時間とコストがどのぐらい節約されるのか、どんな問題を解決できるかなどを見ている。

――平昌冬季五輪でさまざまな5Gの技術をデモしました。ここで得たことを東京五輪でどのように反映させるのですか?

 韓国では初めて5Gをラボから現場に取り出した。まだ早期の5Gだったが、現在標準が批准した。

平昌五輪の会場に設置された5Gの基地局

 日本でのチャレンジは、商用ネットワークが五輪と同じ時期にローンチするため、オペレーターはしっかりした顧客体験を提供しなければならないという点だ。そのための堅牢なネットワークが必要となる。通話が切断されたというようなことが起こってはならない。

 東京五輪では、5Gで何が可能かをしっかり見せたいと思っている。2020年ではなく、その先だ。将来何が可能かを感じてほしい。消費者だけではなく、企業や産業側も対象となる。同時に、どうやって商用化とのバランスをとるかが重要になる。

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