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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第113回

Pixel 3やiPhone XR、2018年の今、キャリアで買うかSIMフリーで買うか、どっちが得?

2018年10月25日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII編集部

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 グーグルのオリジナルAndroidスマホ「Pixel 3」が11月1日に発売される。3大キャリアの中では、ドコモとソフトバンクが販売し、auは取り扱わないという部分も話題だが、キャリアの端末購入補助が消滅に向かっている今、むしろSIMフリー版の単体購入こそがお得で、回線は格安SIMを含めて自由に選べばいいのでは? と考えている。

キャリアによるテレビCMも始まった「Pixel 3」。ヒット製品になる?

Android派がメイン機として使えるSIMフリースマホ

 Pixel 3自体については、さまざまなメディアで紹介されているが、一言で言えばグーグルとAndroidの最新サービスが利用できるハイスペックスマートフォンと言える。さらに防水やおサイフケータイ、ワイヤレス充電といったメイン機に欲しい機能が備わっている。

 価格はよりコンパクトなPixel 3の64GB版で9万5000円(Googleストアでの直販価格)。画面の大きいPixel 3 XLは11万9000円で、さらにストレージが128GBになるとそれぞれ1万2000円のプラスで、最高値はPixel 3 XLの128GB版で13万1000円となっている。実用性に問題がないお買い得なミドルクラスのスマートフォンと比べる、3~5倍の価格となり、もし買うなら、購入方法や維持費を工夫したくなる。

実質0円のような高額の購入補助は風前の灯火

 少し前までは高価格なハイエンドスマートフォンは3大キャリアしか扱っておらず、高額な月額料金と引き換えに毎月の料金を値引く制度(「月々サポート」「毎月割」「月月割」)が用意されていた。その結果、3大キャリアで使い続けると高い維持費になるが「実質0円」や、場合によっては一括0円で提供されて、さらに料金割引だけが残って安く維持できる方法があり、高額なスマートフォンでも割安に利用できた。

 しかし、auが2017年に「auピタットプラン」を登場させてからは風向きが変わり、ソフトバンクも今年の9月から、購入補助があるプランはほぼ選べなくなったほか、ドコモも購入補助が非適用となる(かわりに毎月の料金をずっと1500円割り引く)機種を拡大させている。

 また、キャリアの割引制度の一環として、48回払いのローン購入をして、24ヵ月後以降に次の機種を購入すると残りのローン支払いが免除されるという購入方法もあるが、支払いが免除されるとは言ってもそれまで使っていた端末が回収されてしまうため、これは自動車の販売で流行中の「残価設定ローン」にすぎず、割引とは言いがたい。

 つまりスマートフォンは割り引きせずに販売。毎月の料金も通信キャリアとしての“適正料金”を払う方向への転換中と言っていい。

割引がないならPixel 3は単体購入でいい?

 端末自体の割引がないのであれば、キャリアから買う意味は薄れてくる。純粋にドコモやソフトバンクと契約することで得られるサービス(キャリアメールや子供用副回線、国際ローミング時のパケット定額など)が不要ならば、格安SIMやサブブランドで問題ないはずだ。

 たとえばPixel 3の64GB版をドコモで買うと、毎月の料金が割り引かれる月々サポートを含んだ、最大の割引額が7万1280円(MNP時)となり非常に大きい。一方で、ソフトバンクの場合は買い方によっては割引はほぼないか、機種変更や新規加入時に1年だけ料金に対して適用される毎月1080円の割引などにとどまる。

 そして価格も違う。Pixel 3の64GB版を例とれば、Googleから直販で購入すると9万5000円だが、ドコモは9万8496円、ソフトバンクは9万8400円と少し高くなっている。ドコモで月々サポート有りで購入するケース以外はほぼメリットがないように見える。

料金自体にもかなり差がある

 続いて、参考までにドコモ、au、ソフトバンク、格安SIM、サブブランドの2年間に払う料金を並べてみた。各社とも固定インターネット回線のセット割、家族で同じプランを利用していたり、長期優待も含んだ割引金額を強調しているが、今回取り上げるのはあくまで1回線単体での費用となる。

 通信のほとんどをWi-Fiでまかない、モバイルは月間1GB未満で通話なしという使い方だと格安SIMが3万6340円と最も安く、反対にドコモが10万8397円となる。一見ドコモが大幅に高いように見えるが、ドコモで購入すれば月々サポートがあり、MNPの場合で最大7万1280円が引かれることを考えると金額は近くなる。このケースなら通信品質の問題からドコモを選ぶ価値があるだろう。

 続いて月間3GBで5分間までの国内定額通話ありという、メインの端末として比較的ライトに使うケースを想定すると、UQ mobileやY!mobileといったサブブランドのお得さが際立ってくる。

 サブブランドとドコモとは2年間で9万円ほどの差があり、ドコモの月々サポートによる割引があってもサブブランドに回線だけ加入し、Pixel 3は単体購入したほうがよさそうだ。サブブランドなら通信品質という面でもドコモとあまり差はないと思われるからだ。ただ、サブブランドが安いのは1年目だけで、2年目以降はサブブランドは割高になるため、1年を過ぎれば、すぐ解約することも可能な格安SIMのメリットも出てくる。

 月間20GBで5分間までの定額通話ありという、外出先で動画もそこそこ楽しめる内容になると、格安SIMが高めになる。ここでもサブブランドが優位だ。

 ただ、20GBのような多めの通信量を利用する場合、ソフトバンクは50GBの「ウルトラギガモンスター+」を選択するしかなくなる。このプランにはYouTubeやAmebaTVなど、主な動画配信サービスの通信量がカウントフリーになっているため余計にソフトバンクが優位になってくる。

 家族回線があったり、固定インターネット回線があるなどの要素があるならまた変わってくるが、ほとんど外で通信せず音声通話もなく、MNPで新規契約するならドコモ、そこそこ使うなら格安SIMかサブブランド、20GBオーバーとガンガン使うならソフトバンクということになるだろう。

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