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電話はもうボットがかける時代?「予約代行」サービスが続々

2018年10月11日 06時27分更新

文● Erin Winick

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スタートアップ企業のドゥノットペイ(DoNotPay)は、カリフォルニア州車両管理局(California DMV)に電話をかけ、アポイントの待ち時間を数カ月先から数日後にまで縮められる自動サービスを立ち上げた。

背景にあるのは、DMVの長い待ち時間だ(日本版注:DMVは免許の取得や更新、車両登録をする場所で、事前のアポが必要)。現在、カリフォルニア州でDMVのアポを取るためには、直接予約を取って数週間待つか、キャンセルを探すためのサービスに料金を支払う必要がある。

法手続きをより簡単にする手段を提供するスタートアップ企業、ドゥノットペイは、より近い予約日を取るための自動音声電話アプリを開発した。ユーザーが基本的な情報を入力すると、DMVの自動応答電話回線に電話をかけ、予約をとる。できるだけ早い日付の予約をとるため、ボットが1日最大1000回も電話をかけ、キャンセルが発生していないかを確認する(実際の自動電話の様子がこちら)。

グーグルは9日、似たような自動音声アシスタント機能「グーグル・デュープレックス(Google Duplex)」の機能強化を発表した。人間に代わって各種予約をとる、人間そっくりに聞こえる人工知能(AI)だ。当初発表された5月に倫理的な懸念が持ち上がったことを受け、同サービスは現在、電話の向こうにいる人間に対して自身がボットであることを告げている。

ドゥノットペイのシステムはデュープレックスと異なり、ロボット同士を相対させる。「電話で人間に対してボットに話させるのは倫理に反すると思います。我々のテクノロジーは、他のボットに対してのみ利用されます」。こう語るのは、ドゥノットペイの創業者であるジョシュア・ブラウダーだ(MITテクノロジーレビューの「2017年版35歳未満のイノベーター35人」にも選ばれている)。

ドゥノットペイはすでに、パスポート申請や社会保障サービス、大企業への対応のため、上記サービスのテストを実施中だ。「DMVは、すべての行政サービスを自動化し、よりスピーディーに利用できるようにする取り組みの第一歩です」とブラウダーは話す。

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