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「食のトレーサビリティ」にブロックチェーン活用、ウォルマート

2018年09月27日 06時55分更新

文● Mike Orcutt

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ブロックチェーン・テクノロジーがブレイクする瞬間かもしれない。小売大手ウォルマートが、新鮮な農産物の大規模流通網にブロックチェーンを使い始めた。

ウォルマートは、食品が農場から店舗の陳列棚に届くまでを分散型台帳で管理できることを実証する、2年間のパイロット・プロジェクトを完了しようとしている。プロジェクトは非常に順調に進んできたようだ。ウォルマートは、レタスなどの葉物野菜が農場からお皿の上に乗るまでに関わる全員——野菜卸売業者や農業生産者、物流会社など——に対し、2019年9月までにこの新たなブロックチェーン・ネットワークへの参加を指示している。

懐疑論者は依然として許可型ブロックチェーン(この場合はIBMが設計したシステム)の使用が、従来型のオンライン・データベースと比べて、一体全体どれほど良いのか疑問に思うことだろう。たとえば、誰かが特定の食品に関して不正または間違ったデータを入力したとしても、ブロックチェーンは判断できない。しかし、少なくともウォルマートは、食品由来疾病をいまよりはるかに素早く突き止められるようになり、命を救ったり、コストを節約できたりすると確信している。米疾病管理予防センター(CDC)によると、流行中の大腸菌に汚染されたロメイン・レタスが原因でここ最近5人が亡くなっており、 発生源を突き止めるまでウォルマートはすべての袋を廃棄せざるを得なかった。ウォルマートによると、最近実施した実証実験で、ある1束のスライス・マンゴーを栽培した農場を特定するの7日を要したのに対し、ブロックチェーンの要した時間はほんの数秒だったという。

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