過去最高益もプリンター事業は厳しい
ブラザーは1908年に、ミシンの修理業としてスタートして、今年で110年目の節目を迎える。今年度は、中期3カ年計画「CS B2018」の最終年度にも当たる。
「変革への挑戦をテーマにしたこの中期経営計画では、大企業や家庭におけるプリントボリュームが減少し、プリンター市場全体が縮小するという認識のもと、印刷ボリュームが少しでも多いビジネスユーザーの開拓を目指して、新製品を投入してきた。ビジネスユーザー向けの販路開拓、マーケティングも強化してきた。その流れを加速するために、今回の新製品を投入する」と語る。
同社が創業110周年記念サイトに掲載している写真では、真ん中にブラザー初のミシンである、麦わら帽子製造用環縫ミシン「昭三式ミシン」が掲載され、上段には、編み機、タイプライター、工作機械、FAX、プリンターのほか、ソフトウェア自動販売機のTAKERU、そこから発生した通信カラオケ「JOY SOUND」といったこれまでの110年を支えてきた製品が並ぶ。下段には未来の都市を浮かび上がらせている。
「今回の新製品も、将来ここに並んでいるようなヒット商品のひとつになるように、挑戦を続けていく」と、ブラザー販売の三島社長は語る。
一方で「ブラザーは2017年度に、過去最高の売上げと利益を達成し、2018年度第1四半期も計画通りに推移している。だが、プリンターを取り巻く事業環境は厳しく、決して楽観視はできない。とくに、家庭用プリンター市場は、年賀状や写真の印刷が激減しており、危機感を抱いている。なにも手を打たなければその傾向は続くことになるだろう」とも語る。
「プリンター市場での生き残りをかける」という三島社長の言葉に、強い危機感と意気込みを感じた。
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