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業界人の《ことば》から 第311回

「プリンター市場で生き残りかける」最高益出したブラザーが縮小市場に本気

2018年09月21日 09時00分更新

文● 大河原克行

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過去最高益もプリンター事業は厳しい

 ブラザーは1908年に、ミシンの修理業としてスタートして、今年で110年目の節目を迎える。今年度は、中期3カ年計画「CS B2018」の最終年度にも当たる。

 「変革への挑戦をテーマにしたこの中期経営計画では、大企業や家庭におけるプリントボリュームが減少し、プリンター市場全体が縮小するという認識のもと、印刷ボリュームが少しでも多いビジネスユーザーの開拓を目指して、新製品を投入してきた。ビジネスユーザー向けの販路開拓、マーケティングも強化してきた。その流れを加速するために、今回の新製品を投入する」と語る。

 同社が創業110周年記念サイトに掲載している写真では、真ん中にブラザー初のミシンである、麦わら帽子製造用環縫ミシン「昭三式ミシン」が掲載され、上段には、編み機、タイプライター、工作機械、FAX、プリンターのほか、ソフトウェア自動販売機のTAKERU、そこから発生した通信カラオケ「JOY SOUND」といったこれまでの110年を支えてきた製品が並ぶ。下段には未来の都市を浮かび上がらせている。

110周年記念サイト

 「今回の新製品も、将来ここに並んでいるようなヒット商品のひとつになるように、挑戦を続けていく」と、ブラザー販売の三島社長は語る。

 一方で「ブラザーは2017年度に、過去最高の売上げと利益を達成し、2018年度第1四半期も計画通りに推移している。だが、プリンターを取り巻く事業環境は厳しく、決して楽観視はできない。とくに、家庭用プリンター市場は、年賀状や写真の印刷が激減しており、危機感を抱いている。なにも手を打たなければその傾向は続くことになるだろう」とも語る。

2014年度から安定した業績を残す

 「プリンター市場での生き残りをかける」という三島社長の言葉に、強い危機感と意気込みを感じた。

会見にはイメージキャラクターの小島瑠璃子さんと、新製品の特徴である「大容量」にかけて「大島さん」ことアンジャッシュの児嶋一哉さんも登場した

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