どちらもAdobeRGB比100%に対応
スペック重視か、性能とサイズのバランス重視か、17.3型4Kノート2機種のパワーを比較
マウスコンピューターが販売するクリエイター向けブランド「DAIV」シリーズの、17.3型ディスプレーを採用するノートパソコン「NG7510シリーズ」「NG7510シリーズ」。大きなディスプレーに加え、ともにAdobeRGB100%の色域表示が可能。カメラマンにはとても魅力的に映るノートパソコンだ。
大きな画面で余裕を持って作業が可能で、スタジオやロケなど持ち出した先で確認だけではなく、その場で修正などもできる。そんな魅力を備えた2機種だが、当然ながらまったく同じ構成というわけではない。大きくてキレイなディスプレーは共通パーツで、サイズに相応して本体も大きめでほぼ同じフットプリントではあるものの、厚みはかなり違いがあり、運搬性に大きく影響している。またディスプレー以外のスペックにもそれなりの差があり、それぞれの特徴的な部分になっている。
NG7510シリーズは、デスクトップ向けの第8世代CPU「Core i7-8700」と、GPUに「GeForce GTX1080」を組み合せたハイスペックな構成。NG7510シリーズは、モバイル向けの第8世代CPU「i7-8750H」とGPUに「GeForce GTX1070」が搭載され、ハイクラスではないものの、コストが抑えられ、モバイル向けCPUな分本体は薄く軽めになっている。
仕事でノートパソコン使う場合、性能重視で大きさや重さは二の次にするのか、軽量モデルを選ぶのかは迷いどころ。性能重視で思いモデルも、移動に車を使用するなら大きさは気にならないが、国内外に飛行機で移動する場合などには、少々厳しいものがある。
スペックを重視したモデルと、性能やサイズ、価格のバランスを重視したモデル、性能の差をチェック
デスクトップ向けCPU搭載で快適な作業を重視したNG7510シリーズと、モバイル向けCPU搭載で性能と重さを重視したNG7510シリーズでは、性能にどれくらいの差が出るのだろうか。
今回はベンチマークテストを行い性能のチェックを行ってみた。今回試用したのは、Core i7-8700、GeForce GTX 1080(8GB GDDR5X)、16GBメモリー、512GB SSD(M.2接続、起動ドライブ)、1T HDDを搭載する「DAIV-NG7620S1-SH5」と、Core i7-8750H(2.2GHz)、GeForce GTX 1070(8GB GDDR5)、16GBメモリー、512GB SSD(M.2接続、起動ドライブ)、1TB HDDという構成の「DAIV-NG7510S1-SH5」。外観や使い勝手については、前回の記事を参照してほしい。
以前、4K表示に対応したノートパソコンでPCMark 8を測定したとき、表示サイズを4Kにしているとスコアの伸びがいまいちなときがあった。そこで今回は、4K表示とフルHD表示の両方を測定してみた。
また、DAIV-NG7510S1-SH5でPCMark 8を計測したとき、はじめタスクマネージャーを開いてパフォーマンスの項目を見ながら計測したところ、CPU内蔵GPUのインテル UHD Graphics 630とGeForce GTX1070が同一のテスト内で切り替わって動いているのが確認できた。OpenCLを利用する「Accelerated」では、部分的に「GeForce GTX1070」も動いてはいるが、ほぼ「UHD Graphics 630」で動いていた。
そこで役に立ったのがDAIV-NG7510S1-SH5にインストールされている「Control Center 2」だ。このユーティリティーは、マウスコンピューターのほとんどのパソコンには標準でインストールされており、パソコンの動作状況を確認するためのアプリでファンの動作状態の確認や設定ができる。今回のDAIV-NG7510S1-SH5には新バージョンの「Control Center 2」が入っており、内蔵GPUの動作を無効化する機能が備わっている。
そこで内蔵のインテル UHD Graphics 630を無効化し、常時GeForce GTX1070で動作するように切り替えてベンチマークテストを測定した。
なお、DAIV-NG7620S1-SH5はControl Center 2ではなく「Control Center」がインストールされていたが、初期起動状態からCPU内蔵GPUは無効化されていた。
今回計測したのは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CHINEBENCH R15。結果は、以下の表のとおり。
] CPUやGPUのベンチマーク結果は、ともにだいたい25%くらいの性能差がある感じだ。25%の性能差と聞くと大きな差を感じてしまうが、もともとの性能が高いためか、パソコンでの基本的な作業では大きく影響する感じはない。実際にベンチの測定にかかった時間や操作に関しても、違いがわからない程度でしかない。
PCMark 8では表示解像度で大きく差が出たが、4K表示のままでもかなりの高スコアとなった。前世代の同クラスのCPUの結果と見比べてみたら、CPUの進化の具合が如実に確認できた。
PCMark8では、ベンチマークの測定にOpenCLを使用する「Accelerated」と、使用しない「Conventional」があって、4KからフルHDに変更した場合、Acceleratedのスコアは大きく伸びるが、ConventionalではAcceleratedほどの伸び率は見えない。また、PCMark10や3DMark、CINEBENCHではスコアの差はあるものの、大きな差は開かなかったので、アプリによって差が出てくるものと思われる。
またDAIV-NG7510S1-SH5では、インテル UHD Graphics 630を無効化すると常時GeForce GTX1070が動作する分消費電力が高くなっていると思われるが、発熱に関してはインテル UHD Graphics 630でもかなり本体が熱くなるので、切り替えても差はあまり感じられなかった。DAIV-NG7510S1-SH5の持つ性能を最大限に発揮したい場合には、Control Center 2でGeForce GTX1070動作に切り替えるのがおすすめだ。電源に接続できる環境では、GeForce GTX 1070動作で、バッテリーでの作業なら自動切り替えにしておくのがよさそうだ。
なお今回のベンチ結果でDAIV-NG7620S1-SH5とDAIV-NG7510S1-SH5の性能差は確認できたものの、今のところPhotoshopやLightroomなどで軽めの作業をしていても体感できるほどの差は感じない。ということで、次回は様々な実作業でどれくらいの差がでるのか計測してみたいと思う。
試用機の主なスペック | ||
---|---|---|
機種名 | DAIV-NG7620S1-SH5 | DAIV-NG7510S1-SH5 |
CPU | Core i7-8700(3.2GHz) | Core i7-8750H(2.2GHz) |
グラフィックス | GeForce GTX 1080(8GB GDDR5X) | GeForce GTX 1070(8GB GDDR5) |
メモリー | 16GB | |
ストレージ | 512GB SSD(M.2接続、起動ドライブ)、1T HDD | |
ディスプレー | 17.3型(3840×2160ドット)、AdobeRGB比100% | |
内蔵ドライブ | ー | |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac) | |
インターフェース | USB 3.0×4、USB 3.1×2、USB 3.1(Type-C、Thunderbolt3対応)、、HDMI端子、Mini DisplayPort×2、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子、有線LAN端子 | USB 3.0×2、USB 3.1×2、USB 3.1(Type-C、Thunderbolt3対応)、HDMI端子、Mini DisplayPort×2、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子、有線LAN端子 |
サイズ/重量 | およそ幅417×奥行295×高さ43.2mm/約4.3kg | およそ幅418.5×奥行290×高さ26.4mm/約3.0kg |
OS | Windos 10 Home(64bit) | |
価格 | 32万7024円 | 29万4624円 |
-
デジタル
4K17.3型ノートPCでデスク向けCPUの超ハイパワーモデルとモバイルCPUの薄型モデルを比較 -
sponsored
GTX 1050搭載17.3型ノートPCは大画面で仕事からゲームまで超快適 -
デジタル
Photoshopで簡単・正確な色補正は撮影時のひと手間が重要 -
デジタル
RAW現像が快適なデスクトップも「Photo EDGE Tokyo 2018」にクリエイター向けPC「DAIV」出展 -
デジタル
写真編集に最適な15.6型ノートPC、Adobe RGB比98%で外でも本格作業 -
デジタル
写真編集に最適高コスパ15.6型ノートPC、デスク向けCPUの高い性能が魅力 -
デジタル
デスクトップ向けCPUでRAWデータ処理や編集にも最適な15.6型ノートPC