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水道管の交換場所をAIで予測、米フリント市の水汚染問題

2018年08月24日 11時27分更新

文● Erin Winick

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人工知能(AI)のアルゴリズムが、ミシガン州フリント市の水道インフラの交換作業の一部で活用され、約1000万ドルが節約されている。

フリント市は2014年、デトロイトの給水系統の利用をやめて、フリント川から取水するようになった。水質に問題のある水源が古い鉛管と接続されたことで鉛管の腐食が進み、 住民の利用する水が汚染されてしまった。

どの住宅が腐食した古い管の影響を受けているかを把握できる記録はすでに廃棄されており、一部の残ってる記録も不完全なものだった。そこでフリント市が目を向けたのがAIだ。ジョージア工科大学の研究者が、家屋の築年数や価格など71種類のさまざまな情報を用いて、 住宅が鉛管につながっているか否かを予測するアルゴリズムを開発した。

このアルゴリズムを実装したソフトウェアを使用する以前、実際に掘り起こしたパイプのうち、交換対象となるものはわずか20%だった。これに対し、ソフトウェアが作成した鉛管の設置場所リストは97%の的中率だった。正確性が飛躍的に向上したことで、フリント市は今後さらに2000軒の住宅を対象に交換作業をするための時間と費用を大幅に節約できるわけだ。

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