複数拠点での同時編集、Web画像/地図貼り付け、手描き文字/イラストAI認識機能も搭載
グーグル「G Suite」連携のホワイトボード「Jamboard」発売
2018年08月09日 07時00分更新
グーグルは2018年8月8日、クラウド型デジタルホワイトボード「Jamboard(ジャムボード)」の国内販売を開始した。「G Suite」を導入している法人向けの端末で、タッチペンによる直感的な描画だけでなく、「Googleドライブ」への作業履歴の自動保存/復元、Web検索からの画像貼り付け、複数のJamboardやタブレットアプリによる同時編集、「Googleハングアウト」連携、AIによる手書き文字/図形のテキスト/オブジェクト変換といった機能を備える。本体価格は64万円(税抜)。
直感的なタッチ操作とクラウド連携、遠隔拠点との共同編集も
Jamboardは、55インチの4K UHDタッチスクリーンを採用したデジタルホワイトボード。本体色はカーマインレッドとグラファイトグレーの2色があり、壁掛けおよびキャスター付きスタンド(別売り)での設置に対応する。Wi-Fi(802.11ac)接続により、電源ケーブル1本での動作が可能。
画面には付属のタッチペンおよび消しゴム、または指先により描画ができる。タッチペンは静電式のため電池不要、ペアリング操作も不要。また「デジタル付箋」を貼り付けたり、Google検索やGoogleドライブからの画像貼り付け、Googleドライブ上のドキュメント/スプレッドシートなどを画像化しての貼り付けが可能となっている。
Jamboard上での作業作業はすべて(作業履歴を含め)Googleドライブに自動保存される。保存された内容を他のJamboard端末で復元し、作業(会議)を続けることもできる。また書き込まれた内容をPDFファイルとしてエクスポートし、メールなどで共有することも可能。
複数台のJamboard端末間でリアルタイムに内容を共有し、共同編集を行うこともできる(ライブJam)。このとき、専用のモバイルアプリを使ってタブレットやスマートフォンから参加することも可能だ(モバイルアプリだけでの会議開催はできない)。
また「Googleハングアウト」との連携機能も備えており、Jamboardに書き込んだ内容をハングアウトの画面に表示させることもできる。Jamboard本体には広角カメラやマイク/スピーカーも内蔵しており、遠隔拠点と会話をしながら共同編集していくようなシーンも想定されている。
なお、手書きした文字(ひらがなや漢字など)や図形(丸、四角など)をAIエンジンで解析し、テキストや図形オブジェクトに自動変換するモードもある。さらに、手描きイラストが何を意味しているかをAIが判断し、イラストクリップに変換してくれる「AutoDraw」機能も搭載している。
Jamboardの利用にはG Suiteの契約が必要。基本サービスの価格(税抜)は本体が64万円、ソフトウェアライセンスが年額7万7000円。オプションのキャスター付きスタンドは17万3000円。さらに、導入時の配送/組み立て/動作確認を行うベーシックサービスが4万1000円、ベーシックサービスの内容に加えて設置前のコンサルテーション、設置後の導入支援を行うプレミアムサービスが18万9000円。
なお国内での販売パートナーはNTTドコモ、サテライトオフィス、ソフトバンク、電算システム、トップゲート、USEN ICT Solutions、rakumoの7社となっている。
G Suiteの特徴「リアルタイムなコラボレーション」を受け継ぐ製品
同日の発表会でGoogle Cloud日本代表の阿部伸一氏は、グーグルではグローバル400万社以上に対するG Suiteの提供を通じて、企業におけるコラボレーションや「柔軟な働き方」をサポートしてきたと説明する。その特徴は「100%クラウドで共有し、リアルタイムにコラボレーションできる」(阿部氏)点だ。
今回のJamboardもその特徴を受け継ぎ、遠隔地とのリアルタイムでのコラボレーションを実現する製品となる。阿部氏は、従来のビデオ会議利用時に生じていた「ホワイトボードに書いた内容が共有できない」課題をJamboardが解消すると述べた。
また、Google Cloudストラテジック アカウント スペシャリストの武市憲司氏は、G Suiteのサービス群は、企業における「アイデア」「保管/共有」「共同作業」「会議」の全体をカバーしており、今回のJamboardはそのすべてのフェーズで活用できる製品だと語った。
なお、米国では昨年(2017年)5月からJamboardを販売しており、ダウ・ジョーンズやネットフリックス、ワールプール、スポティファイ、ピンタレストなどの企業で導入されてるという。武市氏は、設計やエンジニアリング、開発、経営、マーケティングなど、業務内容を問わず「共同作業が発生するすべての業種、職種」でJamboardは活用できると語った。