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働き方改革とG SuiteがGoogle Cloud Nextのもう1つのテーマ

ファミリーマートはGoogle Cloudと企業文化をセットでインストール

2017年06月16日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Google Cloud Next '17の初日の基調講演で大きくフィーチャーされたのは、日本企業ももはや目をそらせない働き方改革とG Suiteだ。グーグルとの提携を発表したファミリーマートは、テクノロジーだけではなく、働き方改革を実現できる企業文化の導入にも期待する。

G Suiteはイノベーションを醸成する文化に貢献する

 GCPとともに、同社のクラウドサービスの柱であるG Suiteに関しては、日本でも昨今大きな注目を集める「働き方改革」に貢献できるツールとして紹介された。働き方改革とG Suiteの関係に関しては、女性の働き方を考える「Women Will」のプロジェクトを推進してきたGoogle Japanの岩村水樹氏が説明した。

Google Japan 専務執行役員 CMO アジア太平洋地域 マネージングディレクター 岩村水樹氏

 岩村氏は調査報告を元に、「働き方改革は大きな課題だと認識されているが、実際の職場で実施され、効果が実感される状況にはなっていない。具体的な方法がわからないことが課題になっている」と指摘する。

 では、どのように働き方を変えていけばよいのか? これに対して、グーグルではビジネスリーダーが「文化」「プロセス」「ツール」の3つにフォーカスすることが求められるという。特に文化に関しては、「イノベーションは1人の天才から生まれるのではなく、多様な人材で構成されるチームの力を最大化することで実現される」という考えの元、自律的な働き方を実現するための文化が必要だと考えているとのことだ。

イノベーションは1人の天才から生まれるのではない

 岩村氏は、企業文化に関して1つのヒントを出す。グーグルが高いパフォーマンスを上げているチームに共通する要素を調べたところ、国籍、年齢、性別、言語を問わず、最低限「サイコロジカル・セーフティ(心理的安全性)」が成立されていたという。岩村氏は、この心理的安全性が成立する条件として「バックグランドに関係なく、自分らしく行動する、発言する、そしてそれを受け入れられていると感じられる状況。自分の弱みも含めてさらけ出すことができ、失敗するリスクがとれること」を挙げる。

 そして、G Suiteはこうしたイノベーションを生み出す文化を醸成するにも役立つと岩村氏は主張する。「こうしたツールを使うことによって、管理されるのはなく、自分の仕事を自分で管理するという自律性に結びつく。チームがつながり、コラボレーションが生み出される」と岩村氏が主張する。

テクノロジーツールはイノベーション文化をはぐくむ

 岩村氏が携わってきたWomen Willのプロジェクトでは「ワークハードをワークスマートに変える」というテーマで活動を続けており、「未来の働き方トライアル」では「働く時間を短くする(Work Shorter)」「業務の効率化(Work Simply)」「在宅勤務(Work Anywhere)」などのチャレンジを1000社を超えるパートナー企業とともに実施してきたという。

 このうち働く時間を短くするWork Shorterの施策は、全社一律に出退勤時間を決めるのではなく、一人一人が自分の退社時間を決め、それまでに業務を終わらせるようにするというトライアルだった。具体的にはGoogleカレンダーにはまず退社時間を入れ、さらに仕事の予定、会議の予定、やるべきことなどを全部入れることで可視化。これにより、仕事の配分やプロセスなどを意識するようになり、生産性が上がったという。「トライアルの結果、8~9時間だった労働時間を1時間減らすという大きな効果をもたらすことができた」と岩村氏は語る。これらの「未来の働き方トライアル」の取り組みについては、資料としてWebで公開されているという。

自身が設定した退社時間までに仕事を終わらせる

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