直撃しなくとも、PCや家電に影響を与える落雷による雷サージ。そんな雷サージを機器に達する前に吸収することで、機器を守るのが「雷サージ吸収素子」(バリスタ)を備えている電源タップだ。
そんな雷サージ対応のタップ類は、エレコム、バッファロー、サンワサプライなどといった国内の有名サプライメーカーだけでなく、オーム電機やYAZAWAといった照明器具や電気器具などの製造、販売を行なっているメーカーなどからも、販売されている。
選択肢が多いのはうれしいところだが、肝心な雷サージ対応製品の効果のほどは、実際に雷サージが発生しないと判断できない。そのため、ほかの製品のように参考にできる購入者のレビューも期待薄になっている。
そのため製品選びの頼りはスペックになる。電源タップでスペック? と思うかもしれないが、雷サージガードを備える機器は雷サージ吸収素子(バリスタ)が、どの程度の電圧まで耐えられるか「最大サージ電圧」などといった項目で記載しているので、製品を選ぶ際の目安になる。
この最大サージ電圧の測定値はJEC210もしくはJEC212、またはIEC61000-4-5という規格に基づいて測定されているので参考にしよう。
なお、国際試験規格となるIEC61000-4-5は、JEC210/212規格(国内試験規格)に比べて最大サージ電圧の値が低くなる。これは測定方法の違いで、JEC210/212での最大サージ電圧1万2500Vと、IEC61000-4-5規格の最大サージ電圧4500Vは同じクラスの製品になるようだ。
また、最大サージ電圧値の測定方法に関して記載のない製品もあるので注意が必要だが、基本、この数値が大きいほど、安心と言えるだろう。
そのほか、雷サージ機能(雷サージ吸収素子)が動作しているか判別できるLEDの有無も選ぶ際のポイント。使用する場所によっては常時点灯するLEDは眩しくて邪魔になるが、雷サージ吸収素子(バリスタ)は1回しか効果がないため、雷サージから保護された際にLEDで判別できるのは、意外と重要になる。
ちなみに扱いやすい電源タップによる雷サージ対策だが、個人レベルでの対策としては、住まいの分電盤(ブレーカーボックス)に避雷器を取り付ける方法(電気工事士による作業)もある。音羽電機工業「ホームアレスタ HA-13」という避雷器の場合、分電盤に安全ブレーカー1個分のサイズがあれば追加でき、直販価格で7300円程度(工事費別)になっている。
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