COMPUTEX TAIPEI 2018でASUSは2画面ノートPC「Project Precog」を発表しました。キーボードが無く、2つのディスプレーをヒンジでつなげた構造になっています。それと似たような構造のタブレットをMWC上海2018の会場で見つけました。但しスペックを確認するのを忘れて後からネットで検索しても情報は皆無、謎な製品ということになってしまいました。市販されたら意外と使えそうなこのタブレット、その外観や特徴を見てみましょう。
製品名が「OKBOOK T4」と言うこのタブレットは10型程度の液晶ディスプレーと、それにヒンジで繋がる一回り小ぶりな電子ペーパーディスプレーを搭載しています。中国の通信キャリア、中国聯通が販売する学習用端末だそうです。製造元は中国・江蘇省の無錫市にある無錫点石百川電子科技と本体の裏には記載がありましたが、どうやらOEM/ODMメーカーのよう。製品情報は見当たりません。
閉じた状態では小ぶりのノートPCといったデザイン。手前のベラは付属のスタイラスペンを収納するためのもの。ディスプレーはタッチ操作できますがペンは電子ペーパーでディスプレー専用のようです。側面を見るとカードスロットがありますが、SIMが入るとのこと。なんとTD-LTEのモデムを内蔵しており、どこでも通信可能だそうです。キャリアが販売するタブレットなので当然の仕様なのでしょうね。
本体を開いてみると、学習用アプリが立ち上がった状態でした。液晶ディスプレー側は画面構成を見ると独自のUIのようですが、おそらくAndroidベースだと思われます。下側の電子ペーパー部分は液晶表示に対する入力デバイスという位置づけになっており、このアプリの場合は質問に対する答えをA、B、C、Dの4つから選ぶためのタッチボタンが表示されます。このようにOKBOOK T4は専用の学習アプリを使うために特化したUI設計になっているようです。
電子ペーパー側に手書きした文字をテキストに変換するアプリも搭載されています。中国語と英語に対応しており、ノートやメモを取ってテキストファイルとして保存できます。なお、このアプリは液晶ディスプレー側にはアプリの簡単な説明が表示されるだけで、書いた文字は電子ペーパーディスプレー上でワンタッチでテキストに変換されていきます。
軽く手書きを試してみましたが、堅いガラスの上に書いているようでペン先はすべるように動きます。ペン先が微妙にずれるのは仕方ないところかもしれません。指先では書けずスタイラスペンのみが反応するので、手のひらを置いても手書きができそう。なお、数式を手書きにするとそちらもテキスト変換したうえ、計算もしてくれます。
学校や塾などで利用されるようで、一般的なタブレットとして使うことはできませんが、これを学習用だけに使うのはもったいない気がします。素のAndroidが動けばいろいろと面白いことができそうです。液晶画面側で動画を見ながら、電子ペーパー側では漫画を読む、なんて使い方ができたら面白いですね。実際に使われている現場を探して、実機をじっくりと触ってみたいものです。
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