フラップカバーはカッコよく開かなければ!
新バナナフォンの最大の特徴はその湾曲したユニークな本体デザインだ。昨今のマイクとスピーカーは音響特性がどんどん良くなっているので、両者が人間の耳と口にピッタリと寄り添う必要はないだろう。
しかし落ち着いて音声電話をする昭和な人間は、そのところをスッキリしたいと考えている人も多く、使ってみると、その微妙な反り方は極めて心地よい。
そんな新バナナフォンに誰かからの着信があり通話する時は、フラップカバーをケータイを持った側の手の親指だけでスムーズにカッコよく引き延ばして会話することが大前提だ。
決してもう一方の手の指先での支援を受けてはいけない。それはもはやマトリックスのトーマス・アンダーソンではないからだ。
着信時にフラップをごく自然に指先で押し伸ばすことで、湾曲した本体はより強調され、ますますバナナフォンというニックネームがぴったりのおバカで格好よい本体に変化する。
ここが新バナナフォンの唯一の見せ場なのだ。そして通話が終わって閉じる時は、体の一部に伸びたフラップを押し当てて、誰にも悟られないうちに静かに元の位置にフラップを戻すのが美しい。
普通のスマホと比べてもあまり劣らないスペック
ただしカメラ機能は弱め
このモデルに関して、いまさら呪文のようなハードウェアスペックを述べることは野暮の極致のような気分なのだが、実用的に使おうと考えて、多少は気になる読者諸兄もいるかもしれないので、簡単に紹介したい。
まずCPUにはQualcomm Snapdragon 205 MSM8905 1.1GHz(クアッドコア)を搭載。フィーチャーフォン的な使い方をする製品として考えるなら十分立派だ。
ディスプレーは昨今としては超コンパクトな2.45インチのQVGA液晶(240×320ドット)で、当然ながらこだわりの曲面スクリーンを採用する。
本体メモリーは512MBでストレージは4GB。ハイエンドスマホと比較すると控えめだが、外部ストレージとして32GBまでのmicroSDカードを使用できる。
通信機能のミニマム3セットの内、Wi-Fi機能は、IEEE 802.11b/g/n。あとはBluetoothと4Gがサポートされている。
バッテリー容量は1500mAhとやはり昨今の大画面スマホと比較すると半分以下。気分はガラケーなので最大待受は25日と十分だが、実際にスマホ的にSNSやウェブなどを頻繁に使っていると意外と短いと感じるかもしれない。
そしてポリカーボネート製の黄色い本体はIP52の防水対応だ。
スペック的に見て、唯一昨今のスマホと比べると凹んだ感じを受けるのが200万画素の内蔵カメラだ。
このカメラは最新の気合の入ったAndroidスマホと同等のレベルを期待したいユーザーにとっては残念だ。筆者は現在「HUAWEI P20 Pro」を常用スマホとして使っているが、新バナナフォンのカメラとファーウェイ・ライカが共同開発したトリプルレンズカメラを比較する方が間違っている。
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