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MWC Barcelona 2023レポート 第27回

ノキアが自分で分解・修理可能なスマホ「Nokia G22」を発表

2023年03月10日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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これからのスマホは
自分で修理して長く使う時代!

 「MWC Barcelona 2023」にはノキアブランドでスマートフォンとフィーチャーフォンを展開するHMD Globalが出展し、スマートフォン新製品を展示した。再注目の製品は自分で分解・修理が可能なモデル「Nokia G22」だ。

MWC Barcelona 2023のHMD Globalブース。奥にiFixitのロゴも見える

 Nokia G22はチップセットにUNISOCのT606を採用する4Gスマートフォンで、5000万画素カメラを搭載。ディスプレーは6.5型(1600×720ドット)で5050mAhのバッテリーを搭載する。価格はメモリー4GB、ストレージ128GBモデルが199ユーロ(約2万9000円)。

Nokia G22

 背面カバーは100%の再生プラスチックで作られている。本体カラーはこのブルーに加えてグレーの2色展開で、本体サイズは約76.2×165×8.5mm、重量は196.2g。

リサイクル素材を使った背面カバー

 スマートフォンの自己修理はアップルが「セルフサービス修理プログラム」を、サムスンがiFixitと提携して修理パーツを提供している。Nokia G22はサムスン同様にiFixitの協力を仰ぎ、保守パーツ、修理マニュアル、修理キットが提供される。また、Nokia G22の側面のSIMスロットを見ると片側がディスプレー面に接しているが、これは分解をしやすくする工夫だ。SIMトレイを抜いてそこからピック状の工具をディスプレーの側面にはわせていくだけで、簡単に背面側を開くことができる。

SIMスロットから分解が可能だ

 その先の分解には精密ドライバーが必要になるが、ドライバーの種類は1つでよく、iFixitの修理キットにこれも含まれる。背面カバーとバッテリーの交換なら、ここからネジ数本を外すだけでいい。

修理キットにはドライバーも含まれる。バッテリーはネジ数本で外れる

 最終的にすべてを分解するのに必要なネジの数は30本以下。フレキケーブルの取り外しにはやや注意が必要だが、iFixitのわかりやすいマニュアルを読めば誰もが分解できるという。ディスプレーの交換も20分程度で可能であり、予備パーツをあらかじめ買っておけば、万が一破損したときでもすぐに自分で修理できる。

完全に分解した状態。パーツの数はそれほど多くない

 パーツの価格はバッテリーとバックカバーが24.95ユーロ(約3600円)、USB端子部分の基盤が19.95ユーロ(約2900円)、ディスプレーが49.95ユーロ(約7500円)など。パーツはiFixitから5年間提供される。なお、Nokia G22本体の保証期間は3年間であり、3年後も自分で修理しながら使い続けられるわけだ。

修理マニュアルも完備されている

 HMD Globalは2022年9月からスマートフォンのサブスクリプションプログラム「Circular」を開始。月額固定費でスマートフォンの乗り換えがいつでも可能、故障時は再生品と交換してくれるなど、スマートフォンの長期利用を考えたサービスを展開している。Nokia G22の自己修理サービスも同様のコンセプトから生まれたサービスなのだ。

 Nokiaブランドのスマートフォンはハイエンドモデルはなく、多くの人が手軽に使えるエントリーモデルが多いだけに、今後も自己修理対応モデルが登場するだろう。

スマホのサブスク「Circlar」対応のNokia X30 5GとNokia G60 5G

 また、MWCではエントリーモデル3機種「Nokia C02」「Nokia C22」「Nokia C32」も発表されている。Nokia C02は5.45型(1440×720ドット)ディスプレーに500万画素カメラを搭載した激安入門モデル。Nokia C22とNokia C32はチップセットにUNISOCのSC9863Aを採用、ディスプレーは6.5型(1600×720ドット)で両者の差はメインカメラがそれぞれ1300万画素、5000万画素。いずれも価格は100ユーロ(1万4000円)前後と低く抑えられている。

Nokia C32。5000万画素カメラ搭載のエントリー4G機

Nokia C02(左)と1月発売済みのNokia C12(中)、Nokia C22

 ノキアはMWCで新しいブランドロゴを発表したが、これはネットワークやソリューション事業を展開するノキアの基地局製品などに使用される。HMD Globalが展開するスマートフォンやフィーチャーフォンなど、コンシューマー向け製品には引き続き従来のロゴが使われるとのこと。

新しいノキアロゴはネットワーク・ソリューション事業で使用される

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