石鹸で洗えるスマホ
新生・富士通コネクテッドテクノロジーズでは、「つなぐテクノロジーがつくる人と社会の新たな関係」をビジョンに掲げている。
高田社長は「いわば、関係の再構築を目指すものになる」としながら、「ネットワークの進化や、1人1台環境でのスマホの普及、さらには新たなサービスが登場することで、社会の仕組みが変わり始めている。そうしたなかで重視されているのが、つなぐ技術である。富士通コネクテッドテクノロジーズは、つなぐ技術をコアとして、プロダクトだけでなく、それを活用するためのサービス、そして社会課題を解決するソリューションまでを提供する」と語る。
もちろん、ビジネス基盤となるプロダクトにも魅力的な製品を投入する。
2018年夏モデルとなるNTTドコモ向けの「arrows Be F-04K」では、日本で開発、生産する「こだわりの日本製スマホ」(高田社長)の強みを訴求しながら、カメラ機能を進化させたことで暗い場所でもきれいに撮影できること、防水機能の進化によって、石鹸で洗える清潔さを実現できること、堅牢設計で割れにくいスマホを実現したことが特徴だ。
「ミドルレンジのスマホでも、きれいに写真を撮りたいというニーズが高い。アンケートによると、暗いところできれいに撮れない、ピントがあわない、その結果、ここぞというところを逃すという不満が多いことがわかった。一眼レフカメラにも採用されるオートフォーカス技術を採用し、さらに受光面積を56%増加し、レンズの光透過量を10%増やすことで、明るさを1.7倍にまで高めた。花火やイルミネーションなど、暗所や撮影が難しいシーンでも、きれいに撮影できるようにした」と自信をみせる。
動画では、表示された被写体を指で囲むだけで、フォーカスし、自動ズームする機能も用意した。片手で簡単にズームができる手軽さが特徴だ。
また、「洗えるスマホ」として、清潔に使えるようにした点も特徴だ。
「身の周りには、普段からよく使っているが、洗うことができないために、汚れているものが結構多い。スマホもそのひとつ。だが、arrows Beであれば、石鹸を使って洗うことができる」とする。
arrows Be F-04Kの発表会見では、数日間使用したスマホの汚れを測定。結果は、3419RLUとなった。RLUは、衛生レベルを示す単位で、まな板や包丁は500RLU以下が基準となっている。同社が測定したところ、PCのキーボードは6000RLU、使用済み靴下は40000RLUに達していたという。一般的なスマホは、キーボードよりはキレイだが、4桁の水準であり、汚れているものを顔につけて通話をしているという言い方もできそうだ。
そこで、水洗いをしてみたところ、今度は、逆に11466RLUと5桁に拡大。スマホの持ち主が女性だっただけに、スマホについたファウンデーションが伸びてしまったことも理由だったようだ。そこで、泡タイプのハンドソープを使用して洗ったところ、953RLUと一気に3桁にまで落ちた。まさに清潔なスマホになったというわけだ。
「石鹸で洗えば、液晶もきれいになり、見やすくなる」というメリットもある。
高田社長も「私はスマホを洗うことが習慣化しており、お風呂に入るときに一緒に洗ってしまう」というエピソードも披露した。
そして、最後のポイントが画面が割れにくい堅牢性だ。
「スマホ割れの危険が、日常には多い。そこで、当社ではSOLID SHIELD構造の採用によって、曲げ強度を15%アップ。さらに、相当は厳しい試験をやっている」と自信をみせる。
小栗旬さん、山田孝之さんが出演する「割れない刑事」シリーズのCMも、第3作になり、「arrows=割れにくいスマホ」というイメージも定着してきた。
高田社長は、こうした富士通ブランドのスマホの特徴を示しながら、「ぜひ日本のメーカーとして、富士通コネクテッドテクノロジーズを可愛がってもらいたい。そして、これまでarrowsを使ったことがない人は1度でいいので、arrowsを使ってもらいたい」と呼びかける。スマホを落としたり、画面を割ってしまった経験がある人ほど、日本生まれのarrowsをすすめたいというわけだ。
富士通ブランドの携帯電話端末の2017年度の実績は290万台。2018年度は、市場環境にあわせて、同水準の出荷を見込む。だが、ソリューションへの取り組みなど、端末以外の動きにも、今後は注目しておくべきだろう。
新たな体制でスタートした富士通コネクテッドテクノロジーズは、単なるスマホメーカーからの脱却が鍵になりそうだ。

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