中野サンプラザで開催中の「春のヘッドフォン祭 2018」で、エレコムが同社の新製品となるBluetoothイヤフォン「LBT-HPC1000」およびMMCX端子のBluetoothケーブル「LBT-HPC1000RC」を発表した。
「LBT-HPC1000」はBluetooth 5.0に対応し、対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC。対応サンプリングレートは、LDAC時で最大96kHz/24bit、aptX HD時で最大48kHz/24bit。コーデックは、インジケーターの点滅方式やカラーで判別できる仕様。同社のオーディオ製品のフラグシップとなる「music artisan」シリーズに位置付けられる。
リモコンのボタン操作でSiriやGoogleアシスタントなどの音声アシスタント機能を呼び出せるほか、通話用マイク(MEMS)も内蔵。iPhoneとの接続時は、iPhone側からイヤフォンのバッテリー残量をチェックできるなど、スマートフォンとの連携機能もそなえる。
大型ネオジウムマグネットを採用するほか、ハウジングには真鍮(ブラス)を採用。力強い音を実現するとともに、不要な振動をおさえ、ソースを忠実に再現するとする。
充電時間は公称2時間、連続再生時間は最大6時間、連続待ち受け時間は最大200時間。発表会では、「単なる通勤だけでなく、大阪と東京の往復に使っても対応できる」とのコメントもあった。
試聴したところ、このモデルはBluetooth機特有の、特定の帯域が減衰したような印象がほとんどなく、有線接続のイヤフォンに極めて近い音質に思えた。ドライバーのよさもあるかもしれないが、Bluetoothケーブルの効果も大きいだろう。
PCやスマートフォンの周辺機器のイメージが強い同社だが、Bluetoothイヤフォンは2007年に参入して以来、今年で11年目を数える。オーディオ製品のキャッチとして「意外にいい音、エレコム。」というものを使用しているが、同社の商品開発部 杉本 善朗氏は「このキャッチに恥じない、よりいい音の製品を今後も投入していきたい」と話した。
なおLBT-HPC1000RCは、LBT-HPC1000のケーブル部と同等の性能を持ったMMCX端子搭載のケーブルとなる。価格はLBT-HPC1000が2万2800円で、LBT-HPC1000RCが1万9800円。6月上旬の発売を見込む。

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