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日本でも出荷が始まった15インチモデルを徹底チェックしました

Surface Book 2 15インチ 試用レポート = ペンタブレット+GTX1060で最強モバイルだっ!!

2018年04月05日 00時00分更新

文● 編集長みやの(@E_Minazou

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 SurfaceBook2は2017年10月のWindows10アップデートと同時に発表となった.従来と同じ13.5型モデルは第8世代(8G)コアCPUと最新GeForceによるGPUの強化が行われ、同時にひとまわり大きい15型モデルが登場して我々を驚かせた.

 米国ではすでに発売となっていたが、日本でも4月6日に出荷が開始の予定で、編集部にも製品版が届いたのでテストしてみた.

A4判がスッポリ収まる液晶
8Gコア搭載の15型タブレットってステキです

 Surfaceシリーズは現在、タブレット型のPro、クラムシェル型のLaptop、そして分離型のBookにデスクトップのStudioと4形体があるのだが、いまのところCPUが8GコアになっているのはBookだけである.

 13.5型のSurfaceBook2は、CPUに7Gのi5-7300Uまたは8Gのi7-8650Uを搭載.7Gでは内蔵GPUのインテル620のみだが、8Gモデルでは外部GPUとしてGeForceのGTX1050と2GBのVRAMを搭載する.

左が新発売となった15インチで右が13.5インチ(初期モデル).横幅は31ミリ、奥行きは19ミリの差がある.

 従来のBookと同様に、液晶部分にCPUとSSD、バッテリーを搭載し、キーボードから外すことでタブレットとして利用可能.キーボード側にはバッテリーと各種インターフェース、外部GPUを搭載するという、エキゾチックな作りである.

 13.5型の液晶は3000×2000ドットのコントラスト比1600対1という明るいもので、指のタッチ操作に加え、SurfacePenを使って描画や赤入れができる.15型では大きくなったぶん解像度は3240×2160ドットに増え、13.5型の267dpi(ドット/インチ)という密度が260dpiとほぼ同じ値を保っている.もちろんペンでの操作も可能だ.

15型の接続部の構造は13.5型と同じだが、当然金具の位置は異なり、異種サイズの合体はできません.

 液晶部のみ比べると、13.5型は約712グラムで、15型は814グラム(ともに実測値)と、ちょうど100グラムの違いだ.厚みは約7ミリと薄いので、15型を手にするとなんだか軽く感じる.

 表示部分は13.5型が285×190ミリに対して、15型は317×211ミリだから、横幅が32ミリ、縦が21ミリ大きくなっている.長さの比率としては11%増しで、面積でいうと24%増しとなる.

 この差はけっこう大きくて、たとえばA4変形判の紙の週刊アスキーは277×210ミリだから、15型ならその液晶内にすっぽり収まる.A4用紙は297×210ミリでこちらもオッケーで、ずばり実物大で書類を閲覧できるのだ.大きいタブレットはキモチいいのである.

左の15型の液晶は横幅がちょうど210ミリなので、ぴたり100%サイズで週アスの誌面が表示できる.

液晶だけではない
GTX1060の採用の最強モバイルだっ

 13.5型のSurfaceBookは、初代と1.5世代の2台も持っているオレとしては、この3対2比率のディスプレイに慣れきってしまい、最近は16対9のモバイルノートを使うとなんだか違和感をもつまでになってしまった.

 スマホは縦長でスクロールして使うのが基本のように、PCもブラウザーやアプリで上下スクロールするとき、縦方向が長い液晶はラクなのである.そのうち正方形や縦長液晶のモバイルノートができないかとか思うほどだ.

キーボードからはずせば15型の超大判タブレット、つければGTX1060内蔵の高速マシンになるんですよ~~

 15型のほうはCPUは13.5型と同じ8Gのi7-8650Uでもちろん4コア8スレッドである.そして、外部GPUがなななんとGeForceのGTX1060にVRAM6GBを搭載しているのだ.これはもはやゲーミングノートのレベルでもって、私が愛するRazerBladeと同じクラスに突入してしまっているのである.

 キーボード側にあるインターフェース類は13.5も15型も同じで、USBは左側にタイプA×2(V3.1Gen1)とSDXCカードスロットが、右側には電源ケーブルを挿すSurfaceConnectという端子とタイプC×1(PD3.0V3.1Gen1)がある.15型は大きいぶんもう少し追加できそうだが、全く同じ構成だ.ちなみに液晶側にはインターフェースはなにもなく、電源ボタンとボリュームボタン、そしてSurfaceConnectがあるだけである.

ひとまわり大きいボディながら15型は13.5型とまったく同じインターフェースが並ぶ

液晶側は、左上に電源ボタンとボリュームキーがあるのみで、USB端子などはない.SurfaceConnectで充電は可能だ.

 メモリとSSDの構成は、13.5型の8Gモデルでは8GB+256GB、16GB+512GB/1TBの3種類.15型はメモリは16GB固定でSSDが256/512GB/1TBの3タイプである.付属するのはACアダプターで、昔は同梱していたSurfaceペンは別売となっている.

 本体のサイズは13.5型の8Gモデルは312×232ミリ、15型は343×251ミリで厚みはともに15~23ミリである.幅が31ミリ、奥行きが19ミリ大きいのはほぼ液晶と同じだ.

大きくなったにもかかわらず、天板は完全にフラットだ.この大きさで直線基調のデザインなので、より高級感が増すのである.

 重さは、カタログ値で13.5型8Gモデルが1642グラム、15型は1905グラムだが、今回の試用機は1896グラムと少し軽かった.とはいえ、263グラムの差は手にずしりとくる.

 15型ながらキーボードは13.5型とまったく同じものが利用されている.横幅275×奥行き101ミリで、タッチパッドは105×70ミリとこれも同じ大きさだ.世界の言語に対応するキーボードを2サイズ作るのはたいへんだろうが、日本語配列ではウィンドウズキーやシフトキーの幅が狭くなっているし、英語でもカーソルキーをもっと大きくするほうが使いやすいので、15型専用のキーボードをデザインしてほしかったところ.

左が日本語配列の15型、右の13.5型はUS配列だが、キーボードの横幅と奥行きは同じである.

 打鍵音はかなり小さいほうで、会議中もまったく安心して打てる.タッチパッドのカチカチの感触は好きなのだが、音がうるさいので、こちらの静音化はすすめていただきたい.

 デルのXPS13と15も同じサイズのキーボードで不満を感じる.通常の15型ノートの多くはテンキーを載せているが、それはいらないですよ~~.あと、いつもお願いしていますが、Appleさんのように、日本でも多言語キーボードを買えるようにしてくださいお願いします.

キータッチはソフトで音も静かだが、パッドのクリック音は大きめだ.

さすが8Gコア+GTX1060の威力
爆速ゲーミングノートなのだっ!!

 まずはCPUの速度だが、CineBenchのCPU値は682と出た.同じi7-8650Uを搭載する13.5型では672だったのでそれより速い.

 10台以上の8GコアノートPCのベンチをとってきたが、682は最高レベルの値で、液晶の裏側にあるにもかかわらず、CPUはきちんとブン回っていることになる.OpenGLは104でこれは13.5型と同じ値だった.

 注目のGTX1060は3DMarkのFireStrikeで9207を出した.i7-7700HQにGTX1060を搭載したゲーミングノートのRazerBladeは9297だった.RazerのCPUは7GコアとはいえTDP45Wという強さ.Bookの8GコアのUプロセッサーはTDP15Wなのに、ほぼ対等の結果である.

 ちなみにGTX1050を搭載した13.5型では5266だったので、15型は約1.8倍の3D速度をもつ.8Gのコアi7が内蔵するUHDグラフィックス620のみを搭載したノートでのFireStrikeの値は1000前後なので、SurfaceBook2-15型は約9倍も速い.やはり「ゲーミングモバイルノート」と呼べる値である.

 冷却ファンは液晶側とキーボード側の両方に入っている.CPUがまわるベンチマークを連続して動作させると、当然液晶側のファンが回り、3Dグラフィック系のベンチでは両方のファンが回る.排気音はするが、金属的な回転音などはしないので、あまり気にならない.

キーボードの奥(写真では下側)にあるのがGPUからの排熱口で、液晶側の排気は細いスリットから行われる.

 試用した15型マシンのSSDは512GBで、サムスンのMZFLWという、13.5型と同じものが搭載されていた.CrystalDiskmarkのマルチシーケンシャル値は、13.5型ではリード2971でライト1240だったのだが、15型では2066・653と低かった.

 MZVLWを搭載した最近のモバイルノートの多くがリード3000ライト2000といった値を出しているので、これはもうすこしチューニングしていただきたいところである.

 バッテリーのベンチマークテストはBBenchを使って、省エネなし、最高パフォーマンス、液晶輝度最高で行ったところ、4時間5分動作した.バッテリー容量は液晶側が23Whでキーボード側には62Whの合計85Whある.大容量のおかげで4時間も動くわけだ.13.5型は合計75Whで約5時間駆動だったから、SurfaceBookは持久力がある.

 PCを利用しながらのバッテリーチャージは、上記と同じ条件で、50%まで62分、70%まで1時間29分、90%まで2時間かかった.こちらは13.5型とほぼ同じで、ACアダプターの出力95Wの威力である.

 このACアダプターは13.5型の8Gモデルと同じもので、本体には最大15V6.33Aを供給し、USBポートを内蔵していてそちらに5V1.5Aが供給している.半分までの充電に1時間かかるのは、搭載しているバッテリー容量が大きいだけにしかたないだろう.

左が13.5型の8Gコアモデルと15型に付属のACアダプターで総計102W出力.右は初期モデルの65W出力のACアダプター.重さは340gと228gで、差は112グラムある.

ちょっと大きいけど
パワフル・モバイルノートの第一候補だ!!

 というわけで、予想のとおり、8GコアのUプロセッサーとGTX1060の組み合わせは、ほぼ7Gの4コア(TDP45W)+GTX1060なみに速かった.

 インテルは4月3日に新しいモバイル用8GコアCPUを発表した.TDP45WのHプロセッサーで、こんどは6コア12スレッドである.ゲーミングノートがこれらを搭載してくれば、Uプロセッサーを凌駕するだろうが、熱や消費電力は食うはずで、モバイルという意味ではU+GTXは当分最強なのだ.

 SurfaceBook2の15型は、A4サイズを包含するペン・タブレットとして、写真や動画を編集するメインマシンとして、そして3Dゲームにも耐えうるモバイルノートとして、今買って間違いないノートである.

 最新のMacBookPro15は1830グラム、RazerBladeは1860グラムでSurfaceBook2-15は1905グラムと、ちょっと重めである.旅行や出張ならまるごと持っていくことになるが、日常、家と会社とか決まった場所を往復するだけなら、液晶部分だけ持ち歩けばいい.15型の大型ペンタブレットながら814グラムなら気軽に持ち歩ける.家にはGPU内蔵のキーボードが、会社のはバッテリーだけのキーボードが待っているというのもアリだろう.マイクロソフトには、キーボード側だけの販売も考えていただきたい.オレ的にはあとはBookの黒モデルに期待です.

 ちなみに本日の価格は、13.5型の16GB+1TBが39万7224円に対して15型の16GB+1TBが40万1544円とその差4320円と超お買い得になっております.ぜひ一家に1台いかがでしょうか?

3世代SurfaceBookの詳細データ(一部は編集部予想)

☆Surface Book

2015年10月6日(米国) 2015年10月26日(日本)
CPU=i5-6300U/i7-6600U GPU=内蔵/GeForce 940M+1GBVRAM
Battery=18Wh+50Wh Weigt=726g+790g/853g (合計1516g/1579g) Size=312.3×232.1×13.0-22.8mm

☆Surface Book with Performance Base

2016年10月26日(米国) 2017年4月20日(日本)
CPU=i5-6300U/i7-6600U GPU=GeForce GTX 965M+2GBVRAM
Battery=18Wh+60Wh Weight=726g+921g (合計1647g) Size=312.3×232.1×14.9-22.8mm

☆Surface Book 2

13.5型
2017年10月17日(日米)
CPU=i5-7300U/i7-8650U GPU=内蔵/GeForce GTX 1050+2GBVRAM
Battery=18Wh+57Wh Weight=712g+822g/930g (合計1534g/1642g) Size=312×232×13-23/15-23mm
15型
2017年10月17日(米国) 2018年4月6日(日本)
CPU=i7-8650U GPU=GeForce GTX1060+6GBVRAM
Battery=23Wh+62Wh Weight=815g+1090g (合計1905g) Size=343×251×15-23mm

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