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育休を取得した、取得しようと思っている男性にアンケート:

「新生児育児ワンオペはただの無理ゲー」男性育休38人の実感

2018年04月06日 11時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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●答えてくれたのはこんな男性

 最後に38人のプロフィールを確認。住まいは5割が東京都で、ほかは全国津々浦々。年齢は35~37歳が多く、上は47歳、下は20歳まで。職業は会社員が5割。IT系が多く、地方公務員、小学校教員などの方々もおり、中には育休を取りやすい会社を探している大学生の方もいました。

 みなさん特権階級にいるスーパーヒーローではなく普通の人たちです。

 アンケートの答えを1つ1つ読みながら、育休を考えているときにこのデータを読みたかったと感じました。平成28年度雇用均等基本調査によれば男性の育休取得率は3.16%、100人に3人が取っている計算です。日本の育児休業制度はOECD加盟国の中でもかなり充実していますが、取得率は英国・仏国などに比べると高くありません。「自分の穴埋めで会社に迷惑がかかる」「キャリアにダメージがあったら家族に迷惑がかかる」などの理由で二の足を踏んでしまうのが現状だと思います。

 しかし、誰かに迷惑がかかりそうだからといって、国から認められている権利をがまんするのが良いこととは思えません。会社や社会は社会人である自分たちが作っているわけですから、上手に迷惑をかける方法は考えられるはずです。制度が現実に即していないなら、アンケートの回答にあったように「もっと柔軟にしてほしい」など提案することで、後の世代にとってより良いしくみを作っていけるはずです。制度はあくまではじめの一歩だと考えた方がいいのではないかと思います。

 (たとえば会社は男性社員の育休取得を含む「子育て支援施策」を通じて厚労省から「くるみん」認定を受けることで税制優遇を受けられるのですが、優遇目当てに社内制度を整えてしまうことがあると、わずか数日間の「なんちゃって育休」が増え、制度が形骸化してしまうことも考えられます。認定基準は昨年4月からより厳しいものに変わっていますが、育休および育休に類似した企業独自の休暇制度の利用日数などについては特にふれられていません)

 いろいろ書いてきましたが、調査でなにより感じたのは、家族のことを真剣に考えて、悩み、行動しているお父さんはかっこいいということでした。育休を取った・取らないに関わらず、こうしたかっこいいお父さんたちがいることを、もっと知ってもらえたらと感じます。


●お知らせ:夫婦げんかアンケート実施中

 現在、「産後育児をめぐる夫婦げんか」についてお父さんを対象としたアンケートを実施中です。ケンカのようになるべく隠しておきたいことはよその家がどうなっているのかわかりづらくて不安が多いもの。ぜひみなさんのお声をお聞かせください。

夫婦げんかアンケート
https://goo.gl/forms/eOHJl2K1sQN4PpdJ2



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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