サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第44回では、kintoneアプリのデータをバックアップしてみる。

cybozu.comでは4種類のバックアップ体制を組んでいる。ストレージサーバーはRAID6+ホットスペアで冗長化されており、それ以外にも冗長化用のレプリケーションサーバーやバックアップ専用のストレージサーバーなどにより、14日間の差分バックアップが取られている。災害などが起きても、データがなくなってしまうということはない。しかし、これはあくまでも障害に備えているもので、ユーザーが誤操作した時に利用できるものではない。
kintoneはアプリをまるごとバックアップする機能を備えていないし、削除したアプリの復活機能も標準では用意していない。ビジネスの重要なシステムをkintoneで運用する場合、万一中の万一のことも考えてしまうのも当然。スタッフの誤操作で、重要な情報が消滅してしまうのだけも防ぎたいところだ。そこで、バックアップ方法を2つ紹介しておきたい。
その1:手動バックアップ
1つ目は、無料でできるテンプレートとエクスポート機能を併用した手動バックアップ。アプリの枠をテンプレートとして保存し、データはCSVファイルにエクスポートしておくのだ。まずは、kintoneのシステム管理画面を開き、「アプリテンプレート」をクリック。アプリを選択し、説明などを入力して保存すればいい。データはアプリの「・・・」メニューから「ファイルに書き出す」をクリックすればいい。
元に戻す場合は、テンプレートからアプリを作成し、「・・・」メニューから「ファイルから読み込む」をクリックする。保存したCSVファイルを指定すればOKだ。エラーになる場合は、CSVにエクスポートできなかったフィールドが必須項目になっていないか確認しよう。たとえば、画像などの添付ファイルはエクスポートできない。
また、ユーザーや組織の設定やアプリコード、APIトークンもバックアップできない。プロセス管理などで、細かいアクセス管理をしている場合は、別途メモするか設定画面のキャプチャーを取って置いた方がいいだろう。

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