ワークロード種別ごとに事前構成/構築/運用するソリューション群も提供
「HPE GreenLake」発表、オンプレミス/従量課金モデルを拡充
2018年02月19日 07時00分更新
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2018年2月15日、次世代オンプレミス消費サービス「HPE GreenLake」の提供開始を発表した。顧客オンプレミス環境に配置したITインフラやパッケージソリューション群を従量課金モデルで提供するサービスで、ITソリューションの提供をさらに迅速化するとともに、リスクとコストの最小化を実現するとしている。
HPEでは米国で7年前(日本は4年前)から、4年前から「フレキシブルキャパシティ」の名称で、オンプレミス配置型のIaaSを従量課金モデルで提供してきた。今回はこれをリブランディングするとともに、新たにソリューション製品群も提供する形へと拡張した。
具体的には、従来のフレキシブルキャパシティと同様のオンプレミス配置型IaaS「HPE GreenLake フレックスキャパシティ」に加えて、新たに、顧客のワークロード種別ごとにプリパッケージしたエンド・トゥ・エンドのソリューション群「HPE GreenLakeソリューション」をラインアップする。いずれも3年間以上の契約を結ぶ必要がある。
GreenLakeソリューションでは、ビッグデータ/バックアップ/オープンデータベース/SAP HANA/エッジコンピューティングといったワークロードに合わせたソリューションを提供する。HPEのハードウェア/ソフトウェアだけでなく、ApacheやHadoop、Commvault、Veeam、EDB Postgresなど、オープンソースソフトウェアやソフトウェアベンダー製品と組み合わせたかたちでの提供も行う。
日本ヒューレット・パッカード 執行役員 Pointnext事業統括の小川光由氏は、「IDCによると、2018年末には50%が従量課金の支払いモデルになり、さらに2020年にはこれが80%まで拡大すると予測されている」とする一方で、セキュリティやコンプライアンスの観点からオンプレミス環境が残ること、従量課金モデルの導入に際しては社内プロセスの変更が必要となる場合もあったことなどを説明した。
「HPE GreenLakeは、パブリッククラウドとオンプレミスのいいところ取りをしたもの。利用量に応じた課金というメリットとともに、予備のリソースを配備し、キャパシティ管理に専任アドバイザーが付いて、ハードウェアの増設提案なども行う。今後の成長が予測できないビジネスなどにおいて、最適な仕組みになる」(小川氏)
これまで提供してきたフレキシブルキャパシティについては、日本における契約企業数が2015年以降、倍々のペースで成長していると明かした。
「この背景には、ビジネス成長に合わせたIT支出が可能になり、ビジネス機会の損失が回避できるというメリットがある。フレキシブルキャパシティを利用すれば、オンプレミスでありながらクラウドのメリットを享受でき、レガシーシステムの段階的なクラウド移行に向けても効果的だ。大手企業からもスタートアップからも引き合いがあった」(小川氏)
小川氏は、GreenLakeにおいてこうしたフレキシブルキャパシティの経験を生かし、パートナーのビジネスにもプラスになる仕組みとして、これまで以上の成長を遂げていきたいと語った。
また、米ヒューレット パッカード エンタープライズ HPE Pointnext担当SVPのパベシュ・セティ氏は、コンサンプションモデル(従量課金モデル)による提供は、HPEが取り組む「ハイブリッドITのシンプル化」や「インテリジェントエッジの活用」などを加速化する重要な要素だと指摘。「顧客企業のデジタルトランスフォーメーションをシンプルにすることができ、その旅路を支援することができるものとなる」と語った。