日本ではゲームセンターにVRのアトラクションが設置されている場所が増えています。しかし、中国ではショッピングモール内の一角や、繁華街の屋外にVR機器を置いた体験ゾーンが設けられ、VR機器メーカーが有料でデモをやることも珍しくありません。
見た目はお手軽だけど意外と本格的な中国のVR事情
先日も深センの電脳街を歩いていたところ、大きなプレハブの中にVRマシンが多数設置され、家族連れなどで賑わっていました。テーマは「宇宙」で、宇宙にちなんだVR機器が13台も設置されていたのです。
しかも、どれもが大型で本格的。体験できるコンテンツは36種類で料金は1回35元(約590円)とそれなりにしますが、どのマシンも大賑わい。120元(約2030円)の5回券を買う人も多く見られました。
VRマシンはWindowsと接続され、係員に好みのコンテンツを伝えるとPCのメニューからコンテンツを選択してくれます。ゲームセンターのように使いやすいUIではなく、PCのソフトそのままという未熟な出来ですが、VRコンテンツの方はそれなりにしっかりと動きます。まあ、このあたりはいかにも中国。
ロケットに乗っての宇宙飛行や空中遊泳など、コンテンツは本格的なもの。PCのモニターで実際のコンテンツ内容を観衆が見られましたが、なかなか悪くない出来のものばかりでした。人気のマシンには行列ができているほどで、最大30分待ちという例も。
12~13歳以下の子どももプレイしていて少し心配に
ただし、見ていてちょっと心配だったのが、子どもの利用が多いこと。VRゴーグルメーカーは12歳あるいは13歳以下の子どもの利用を禁止していますが、ここでは小学生くらいの子どもたちも多数がVRマシンを体験。親も積極的に利用させています。「VRゲームを家でも使いたい」なんて子どもも出てきそう。
とはいえ、子どもたちを見ていると、VR空間を上手に歩いていたり、宇宙人との交戦をうまくかわしていたりと、やはりゲームに対しての対応性は大人よりも優れているようです。今後はイベント主催者側で子どもへの利用制限を設けるべきでしょう。
IDCによると、中国のVR市場は2016年から2020年にかけて50倍にも成長すると見られています。このように街中でいきなりVRマシンが多数並ぶ光景が中国各地で当たり前になっている状況を考えると、その予測も納得できます。
ドローンで中国が世界をリードしはじめたように、VR市場もこれから中国企業の存在感が高まることは間違いないでしょう。
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