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4コア/8スレッドのCore i7-8550Uはどれだけ進化しているか、各種ベンチマークを計測

10万円台で普段使いなら十分過ぎる性能、第8世代CPU搭載ノートPC (1/2)

2017年11月17日 17時00分更新

文● 山口優 編集●八尋/ASCII

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「New Inspiron 13 7000」

 アルミ素材を使用した上質なデザインや、ベゼルの狭額化と180度開閉するディスプレーによる使い勝手のよさが魅力的なデルの「New Inspiron 13 7000」(関連記事)。性能面でも、いち早く第8世代Coreプロセッサーを搭載するなど従来機から大きな進化を遂げている。今回はベンチマーク結果を交えながら、その気になるパフォーマンスを紹介していこう。

第8世代Coreプロセッサーを搭載

 New Inspiron 13 7000は、搭載するCPUやメモリー、ストレージ容量の違いによって「プレミアム」、「プラチナ」、「スプレマシー」の3モデルが用意されている。いずれも第8世代Coreプロセッサーを搭載しており、従来より性能が大きく向上している。今回試したのは、プラチナモデル。デルの直販サイトでは、お得に購入できるクーポンが提供されており、適用すると10万3337円で購入できる(11月16日現在)。

 プラチナモデルが搭載するCPUはCore i7-8550U(1.80GHz/ターボブースト時最大4.0GHz)、GPUがCPU内蔵のインテル UHD グラフィックス 620、メモリーが16GB(DDR4 2133MHz)、ストレージが256GB SSDとなっている。

CPUはCore i7-8550Uが搭載されている。前世代の2コア4スレッドから、4コア8スレッドに倍増している

 特に注目したいのがCore i7-8550Uだ。第7世代のCore i7-7500Uと比べてコア数が2から4に倍増し、同時に8スレッド実行ができる。マルチコアを効率よく使用するソフトでは、従来より大幅なパフォーマンス向上が期待できそうだ。

 また、ベースクロックは第7世代の2.7GHzから1.8GHzに減っているものの、ターボブースト時の最大動作クロックは逆に3.5GHzから4.0GHzに増加している。負荷の高いタスクも従来より高速に実行できると予想できる。そこでまず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」を実行してみたところ、次のような結果になった。

WinSAT.exeの結果
プロセッサ 8.4
メモリ 8.4
グラフィックス 7.9
ディスク 8.05

WinSATの結果

 第7世代のCore i7-7500Uだと、おおよそプロセッサが7.7、グラフィックスが6.3だったので、いずれも大きく伸びている。新CPUのパフォーマンスは確実に向上しているといえそうだ。

 続いて、「CINEBENCH R15」のマルチコアテストを試したところ、CPUが533cbとなった。Core i7-7500Uが330cb前後だったので、60%ほど性能が向上していることになる。さらに「Passmark」も実行してみたところ、CPU Markが8995という結果になった。こちらもやはりCore i7-7500Uより50%ほどの向上が見られる。

CINEBENCH R15では、CPUが533cbとなった

PassmarkのCPU Markは8995という結果になった

 パソコンの総合的なパフォーマンスを見るため、PCMark 8を実行してみたところ、下図のようにスコアが4023となった。またPCMark 10では、4028というスコアになった。

PCMark 8 Home Acceleratedの結果

PCMark 10の結果

 PCMark 10のスコアの詳細を見ると、パソコンの基本性能を示す「Essentials」で8315、ビジネスアプリの性能を示す「Productivity」で7258と、いずれも快適さの目安となる5000を大きく超えている。ウェブ閲覧やメール、Office文書作成のような日常的な使い方なら、不満を覚えずに快適にこなせそうだ。

 それでは、グラフィックス性能はどうだろうか。第8世代からCPU内蔵グラフィックスの名称が「インテル UHD グラフィックス」となり、「HD」の前に「U」がついて、UHD=4Kへの対応が強くアピールされている。どのくらい向上しているのか気になるところ。そこで、グラフィックス性能を見るため「3DMark」を試してみたところ、次の結果になった。

GPUは、統合型グラフィックスのインテル UHD グラフィックス 620が搭載されている

3DMarkスコア
Time Spy 393
Fire Strike 1031
Sky Diver 4250
Cloud Gate 7629
Ice Storm Extreme 50688
Ice Storm 65948

3DMarkでは、Sky Diverで4250というスコアになった

 いずれのテストも、前世代に比べて1割程度スコアが向上している。たとえばミドルレンジパソコン向けのテスト「Sky Diver」は3900前後から4250となった。着実な進化を感じさせるが、CPU性能の向上ほどの「飛躍的」というわけではなく、体感的にはそれほど差を感じないレベルだ。

 ゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
低品質 1920×1080ドット 6333 快適
標準品質 1920×1080ドット 5152 快適
最高品質 1920×1080ドット 4136 普通

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの結果

 同様に「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク」も試してみた。

FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマークの結果

FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080ドット 標準品質(ノートPC) 2247 普通
1920×1080ドット 高品質(ノートPC) 1525 設定変更を推奨
1920×1080ドット 最高品質 1091 設定変更が必要

 タイトルによってスコアに多少の向上は見られるものの、基本的には前世代とそれほど変わらない結果になった。品質や解像度を下げれば、ある程度負荷の高いゲームもそこそこ快適に遊べる実力はあるが、ガッツリ楽しみたいならやはり外部GPUを搭載したノートを選んだほうがよさそうだ。もっとも、New Inspiron 13 7000の用途や利用シーンを考慮すれば、内蔵グラフィックスでも十分すぎる性能だといえる。

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