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なつかC 伝説の電子楽器メーカー「EMS」Googleロゴに

2017年10月18日 15時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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 イギリスで設立された電子楽器メーカー、エレクトロニック・ミュージック・スタジオ(Electronic Music Studios ltd)は、2017年10月18日に設立66周年を迎えます。

 著名な画家や科学者の生誕や、世界の記念日などを祝うためにアレンジされたGoogleロゴ「Google Doodle(グーグル ドゥードゥル)」も、EMS仕様になっていました。

 EMSの有名な電子楽器といえば、まずはシンセサイザー「VCS3」でしょう(1969年発表)。2014年には、EMSの公認iPadアプリ「iVCS3」が出て話題になりましたね(関連記事)。

VCS 3

 このVCS3を持ち運びできるように、小型のブリーフケースに収納したような形状になったのが「Synthi A」(1971年発表)。さらに、フィルム・キーボード(30音のタッチプレート)とデジタル・シーケンサーを内蔵したモデルが「Synthi AKS」(1972年発表)です。

Synthi AKS

 EMSのシンセサイザーで特徴的なのが、横軸の入力、縦軸の出力、それぞれの交点にピンを挿すことでモジュール間をつなげる「ルーティング・マトリクス」と呼ばれるパッチボードです。これにより、同時代に発売されていたシンセサイザーと比べると、本体サイズをとてもコンパクトにまとめることができました。

 安定しているとはちょっと言い難いピッチや、リング・モジュレーターなどによるギャリッとしたノイジーな音色も、EMSのシンセサイザーの特徴といえます。

 同時期に使用されていた他社のアナログ・シンセサイザーは「機種特有の音色」を持っており、それが再評価にも繋がったわけですが、EMS製品は固有の音色というよりは「凶暴で変わった音」を出すことに長けていました。今でも人気は高く、中古市場でも、状態の良いEMS製品は高値で取引されています。

 音楽好きには、VCS3がピンク・フロイドの「狂気(The Dark Side Of The Moon)」で使用されたことが有名です(Synthi AKSも使っていたようです)。他にも、ブライアン・イーノ、エイフェックス・ツイン、意外なところではレッド・ツェッペリンやトッド・ラングレン(名盤「Something/Anything?」ジャケットの内側の写真で確認できます)など、VCS3を使用したミュージシャンを挙げればキリがありません。

 また、ジャーマン・プログレの巨匠クラウス・シュルツはSynthi Aを愛好していたことで知られますし、Synthi AKSは作家の安部公房が劇伴の制作に使っていたという逸話があります。

 なお、EMSはその後もギター・シンセサイザー「EMS Hi-Fli」(1973年発表)、ポリフォニック・シンセサイザー「EMS Poly Synthi」(1978年発表)などを送り出しています。しかし現在では製品の生産を停止、ウェブサイトは1998年で更新が止まっているようです。


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