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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第522回

地元に帰省したら景色を懐かしみつつ猫散歩!

2017年08月18日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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昭和の雰囲気漂う団地で猫発見

 1970年代前半、「団地」という空間がまだ珍しくて、何もない場所に突然あらわれたとても未来的な空間で、憧れと畏怖があり、よく特に目的もなく友人などと自転車で遊びに行ってたのである。

 そこは立て替えられることもなく、大規模修繕工事も最近されてないようで、手すりは錆びはじめ、昭和の歴史を閉じこめたような空間になってた。

 団地といえば猫である。何棟もある大きな団地になると、どこからともなくやってきた猫を近所の誰かが世話をしてたりする。部屋で猫を飼えないからせめて、という気持ちもあるのだろう、うまくいけば団地の地域猫的な存在になる。

 そして、暑い中、古い団地の雑草が生えた中にきれいなミケがちょこんといたのであった。

白い猫は緑の背景に映えますな。この子もきれいな毛並み。耳がカットされた地域猫だ。団地猫といっていいかも(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

白い猫は緑の背景に映えますな。この子もきれいな毛並み。耳がカットされた地域猫だ。団地猫といっていいかも(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

 目が合うとちょっとびっくりして場所を移動。

 古ぼけた駐輪場の裏に入った。さすが、いい日陰である。そこに落ち着いたようなので、こちらもカメラを地面すれすれにおろして猫目線で撮影。

 団地と駐輪場と猫っていい組み合わせだ。

コンクリートの壁と古ぼけた駐輪場に挟まれた隙間に落ち着いたミケであった(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

コンクリートの壁と古ぼけた駐輪場に挟まれた隙間に落ち着いたミケであった(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

 こんな感じで散歩しつつ、民家の玄関先の日陰でぐてっとなってるクロネコと出会ったりしつつ(後ろにみえるおうちの人が世話をしてる)、帰宅の途へ。

玄関先で舌をほんのちょっと飛び出させて寝てたクロネコ。飼ってるわけじゃないけど、うちへエサを食べに来るの、という。ちゃんと耳がカットされてる。クロネコが2匹いるのだけど、もう1匹は警戒心が強くてなかなか出てこないんだそうな(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

玄関先で舌をほんのちょっと飛び出させて寝てたクロネコ。飼ってるわけじゃないけど、うちへエサを食べに来るの、という。ちゃんと耳がカットされてる。クロネコが2匹いるのだけど、もう1匹は警戒心が強くてなかなか出てこないんだそうな(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

 消えかけた記憶を呼び起こしたり、子供の頃との変化にしみじみとしたり、当時は気づかなかった街の細かい面白さや歴史に気づいたり、帰省散歩って意外に楽しいのでおすすめ。

 さて、朝に物置の屋根の上で寝てた2匹はどうなったかなと覗いて見ると、さすがにもういない。

 と思いきや、窓の庇の上でバテ猫してたのであった。

ちょっとした庇も猫には最適な昼寝場所。狭い場所にいる方がくつろいでるってのがよくわかるのであった(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

ちょっとした庇も猫には最適な昼寝場所。狭い場所にいる方がくつろいでるってのがよくわかるのであった(2017年8月 オリンパス E-M1 MarkII)

 ここ、日差しが当たらなくて誰にも見つからなくてのんびりできていい場所なのかも。

 屋根の上にいるときよりずっとリラックスして寝てるし、覗き込んでも起きない。

 これぞ夏の猫、ですな。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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