本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第20回は、PDFでアンケートや申込書を配布・収集・自動集計してみる。
フォーム集計機能でアンケートをさくっとまとめてみる
前回「第19回 フォーム機能でPDFに文字入力できるようにしてみる」では、PDFファイルにフォームを設置し、閲覧者が入力できるようにする方法を紹介した。
しかし、実際にこのファイルで多人数にアンケートを採る場合、ファイルをやりとりした後に手動で集計するのはとても手間がかかる。そこで、Acrobat DCのフォーム集計機能を利用し、さくっとまとめてみよう。
まずは、「フォームを準備」を開き、集計したときに何のデータかわかるようにフォームに名前を付ける。フォーム部分をダブルクリックするとプロパティが開くので、「名前」に入力すればいい。全部入力したら、右下の「配布」をクリックする。
メニューに従い、アンケートの配布方法や宛先を入力していく。ファイルは電子メールで送信するほか、内部サーバーを利用することも可能。メールの場合も、Acrobat DCから送ることもできるし、ローカルに保存してから手動で送ることもできる。
受信した相手は、PDFファイルをダウンロードしてAcrobat Reader DCなどで開き、フォームを入力する。その際、画面上に紫色のバーが出て、フォームを返信するように表示される。入力し終わったら、その中の「フォームを送信」ボタンをクリックしよう。
メールアドレスや名前を入力し、「送信」をクリック。Acrobat Reader DCの機能を使ったり、普段使っているメールソフトから、PDFファイルを送り返せばいい。
返信が集まったら、元ファイルと同じ場所に作成された「ファイル名_responses.pdf」というPDFファイルを開く。Acrobat DCが起動して、「フォーム集計ファイル」が開く。ただし、この機能を使うには、Flash Playerが必要になる。インストールしていない場合は、Adobeのホームページからインストールしておこう。
「フォーム集計ファイル」を開いたら、「追加」をクリックして送り返されてきたPDFファイルをまとめて読み込む。すると、そのフォームの内容が自動的に入力されるのだ。その後、データをcsv形式で書き出し、エクセルで集計を行なえばいい。たとえば、特定の回答の数を確認するなら「COUNTIF」関数でカウントし、簡単にランキングをチェックできる。
アンケートを誰に送って誰から返信されたのかを把握したいなら、「トラッカー」機能を利用する。「フォームを準備」の右下から「トラッカー」をクリックすると起動できる。「トラッカー」の「フォーム」→「配布」をクリックすると、配布したPDFファイルが表示される。PDFファイルをクリックすると、ファイルの場所や送信した相手や返信した人、返信していない人が一覧できる。
未返信の受信者にメールを送信したり、すべての受信者にお礼のメールを送ったりできる。さらに受信者を追加して、アンケートのPDFファイルを送信することも可能だ。
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