海外ではまだまだ2GのGSM方式が現役で使われています。とはいえ、4G/LTEの需要が高まるにつれ、2Gの周波数を4Gに転用する動きが増えています。アジアではシンガポールが2017年3月31日にGSMを終了。続けて台湾が6月30日にGSMを停波しました。
2G用ケータイがなくなるのは死活問題
3Gでも使える10キー付きケータイの種類が増加中
いまや誰もがスマートフォンを使う時代だけに、今時GSMしか使えないスマートフォンは皆無。GSMが停波されても困る人は少ないと思うでしょう。
でも、海外ではまだまだ「通話だけできればいい」という人が古いGSMケータイを使い続けているのです。そんな人たちにとって、GSMの停波は使っているケータイが使い物にならなくなってしまう、かなりの死活問題なのです。
GSMが使えなくなっても、昔ながらのケータイが使いたいという人のために、台湾ではここのところW-CDMAに対応したケータイの種類が増えています。
これといって目立った機能はありませんが、通話だけできればいいって人にとってはこれで十分でしょう。また、中国から輸入された、3G対応の低価格スマートフォンも見かけるようになりました。
3Gケータイの種類が少ないことから、スマートフォンとしてよりもケータイとして売られているのでしょう。あちこちのショップで見かけた「軍人専用機」という名のスマートフォンは1800台湾ドル(約6500円)で売られていました。
台湾の大型スーパーの携帯電話コーナーへ行ってみると、最新のスマートフォンがずらりと並べられています。しかし、その中に混じって、3G対応をうたう製品もちらほら。LTE対応スマートフォンより安く、2Gケータイからの乗り換えを狙った製品なのでしょう。
そして、売り場の一角を見ると、3Gケータイもずらりと並べられていました。「Hugiga」「Mto」「Benten」「King」と聞いたことも無いようなメーカーの製品ですが、これらは他国からの輸入品ではなく、台湾で正規に販売されている製品なのです。
台湾のご当地メーカーの品はまるで「お土産」のよう
真っ赤なモデルを試しに購入!
このうちBentenはかなり前から携帯電話を手がける台湾の中堅メーカー。最近はスマートフォンをいくつか出していますが、2017年になっても3Gケータイの新製品を投入しているメーカーです。
ここに並んでいる4つの製品の中でも、パッケージがちゃんとしているようにも見えますね。しかも、よく見ると「台湾厳選」と国産品であることを大きくアピール。さらには、阿里山森林鉄路の蒸気機関車の写真も入れるなど、土産店で売っていてもおかしくないような外観です。
ということで、このBenten W650を買ってみました。価格は2680台湾ドル、約9800円。2015年の製品ですがまだまだ現行のモデルです。
本体カラーは黒、赤、青の3色。どうせ買うなら目立つ赤を選んでみました。フリップ部分を開くと大きい10キーが現れ、各キーには台湾の文字入力のための注音記号が大きく印刷されています。
これはターゲットが年配者だからでしょう。数字だけにしてすっきりしてほしいところですが、そう思うような年代のユーザーはそもそもこの端末を選ぶことはないはず。
SIMスロットは2つありDSDS仕様ですが、もちろん3G+2G。3G+3Gだったら日本向けにもカスタマイズして、販売を期待したいのですけどね。また、Wi-Fiアンテナもあり、3Gルーターにもなる、なんて機能も欲しいのですが、そもそもそんな製品が欲しければ低価格な4Gスマートフォンを買えば済むわけです。
ということで、この3Gケータイは海外からの旅行者向けのお土産製品として売り出したら、意外と買うお客さんも多いかもしれません。
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