動画プレーヤーとしても活躍するFire HD 8
ブックリーダーだけを前提にすると、HD 8はさまざまな不都合を抱えたハードウェアだ。
しかし、Amazonプライムビデオを含めた動画メディアプレーヤーと考えた場合、8インチという近接して観るパーソナルサイズ、HD解像度、ステレオスピーカー、価格など、そのスペックは極めて正しい方向だ。
筆者もプライムビデオの大ファンなので自室で独りで観ることも多く、その場合は本体と同時に発売された純正カバーの恩恵にあずかっている。
HD 8本体を7980円で購入したのに、オプションカバーが3480円もするのが、今だに多少納得できない部分である。
しかし、カバーの開閉時にマグネットで画面のオン/オフが機能し、読書をする縦位置でも、ムービー鑑賞の横位置でも安定したスタンドとなるHD 8には必携の周辺アイテムだとも思っている。
未来に向かうAmazon系のコンテンツの動画メディアプレーヤーとしての位置づけならほぼ90点以上のHD 8だが、少し活躍範囲を広げて、スマホやタブレットみたいにお気に入りのアプリを入れようなんて考えると、ユーザーによっては、ちょっとまだ期待を裏切られることがあるかもしれない。筆者の場合は、1TBを年間契約しているDropboxが使えないことくらいだが……。
筆者のHD 8には、「Facebook」アプリと、友人とのやり取りに必須の「Facebookメッセンジャー」の2つをすぐに導入。あと、自宅の窓の外を常時モニターしているネットワークカメラである「スマカメ」専用のアプリを導入して、自宅のリビング専用のタブレットとしてかなりの満足度で使いはじめた。
カメラ機能の画質は残念なところ
まず価格ありき……の印象が強い、最近流行の「コスパ」という言葉はまったく好きではないが、このコスパという世界から見て、HD 8ではどうしても評価が低くならざるをえない部分は標準搭載のカメラの撮影機能だろう。
Fire HD 8に昨今のスマホカメラのようなクオリティーを期待している人にはおすすめしずらい。
ほかの高機能スマホなどで撮影した写真をmicroSDカードやクラウド経由で取り込んだものはそれなりにきれいに表示できるので、あくまで撮影するカメラが今時のカメラに比較して手抜きであることは確実だろう。HD 8本体付属の後処理レタッチソフトが機能豊富なのに残念だ。
カメラの撮影、プレイバック機能はいまひとつ、ふたつでも、筆者がとても満足して使っているのは、PDFドキュメントビューワーの機能だ。
常に手元に置いておきたいマニュアルなどを思いついた時に、さまざまなクライアントからAmazonクラウドにアップロードし、HD 8にはクラウド経由でダウンロードし、microSDカードの中に保存して日々利用している。
やはり、Fire HD 8はノートや本としての位置づけで使うのが一番のようだ。いずれにせよ、これだけのことができるクライアント機器がAmazonプライム会員限定価格の7980円で買えることは素晴らしいの一言に尽きる。
“撮影機能を手抜きしたスーパークライアントHD 8”は間違いなく買い押しのアイテムだ。
今回の衝動買い
アイテム:
「Fire HD 8」(16GB)
価格:アマゾンにて7980円(プライム会員限定価格)で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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