日本市場に参入の話があった新興メーカーのスマーティザン(Smartisan)。タイルを使う独自UIを搭載したおもしろい製品を出していましたが、残念ながら日本への参入は無くなってしまった模様です。スマーティザンの日本語SNSアカウントも1年近く更新が止まっています。
スマーティザンの地元、中国でも昨年発売したモデル「M1」「M1L」の評価はいまひとつで、ここのところ大きな話題が聞かれませんでしたが、この5月になって久しぶりの新製品を投入してきました。それが「Nut Pro(堅果Pro)」です。スマーティザンのCEOである羅永浩氏はデザイン重視の端末づくりを続けてきましたが、このNut Proもなかなか優れた仕上がりになっています。
本体へのメーカー名表記はスマーティザン初
カラーバリエーションは落ち着いた3色
シャープなエッジとスクエアなボディーデザインは一世代前のiPhoneを思わせますが、スマーティザンは「全面ガラスの時代に2つの素材を融合」させたデザインで差別化を図っているとのこと。
本体下部のホームボタン回りを金属素材とし、前後を同じデザインとしています。なお、背面の下部にはメーカー名も表記されますが、これはスマーティザンの歴代モデルの中で初めてのこと。これまでの製品は背面に「T」のロゴが入るだけでした。ブランドの再認知を狙っているのかもしれません。
本体をよく見てみると、側面のアンテナのギャップラインと前後面のガラスと金属のつなぎ目部分が、そのまま同じラインでつながっています。このあたりの細かいデザインのこだわりはスマーティザンならでは。
本体のカラーバリエーションは「黒」「ワインレッド」、そして、黒モデルの縁取りを赤くした「レッドライン」の3色。ワインレッドは渋みの有る深い色合いで、他メーカーの赤色モデルとは雰囲気が大きく異なります。レッドラインのモデルは背面ロゴも高級感を持たせています。
エントリー機「Nut」より、同社のフィロソフィーに近づいたか
ところで、スマーティザンの製品は過去に「Nut(堅果)」という低価格モデルを出していました。日本円で1万円台という安さと、樹脂製ボディーのカラフルなカラーバリエーションが人気のモデルでした。カラーバリエーションごとにパッケージを変えるなど、コストを度外視したこだわりも見せてくれました。
とはいえ、低価格モデルはあまり利益が出るものではなく、またスマーティザンのフィロソフィーである「美しいスマホ」をユーザーにうまく伝えることはできなかったと思われます。
今回発表したNut Proは、Nutよりもスペックと質感が引き上げられました。価格も1499元(約2万4200円)からとNutよりも高くなりましたが、同社のフラグシップモデルであるM1/M1Lの姉妹モデルとして、高級感も備えた美しい製品として人気が出そうです。
Nut Proのスペックはカラーバリエーションごとに若干異なります。まず、ストレージは32GB、64GB、128GBの3モデルが存在し、価格はそれぞれ1499元、1799元(約2万9000円)、2299元(約3万7200円)。
CPUは32GBモデルがSnapdragon625、64GB/128GBモデルがSnapdragon626。メモリーは共通で4GBです。カメラは背面に1300万画素+1300万画素のデュアル構成。正面は32GB版が800万画素、64/128GB版が1600万画素。上位モデルはセルフィーも意識しています。
日本への参入は断念したとみられるだけに、このモデルが日本に登場する可能性はかなり低いでしょう。
今回はOSには触れませんが、Androidを独自に改変したSmartisan OSも使い勝手が高いだけに、海外展開も積極的に行なってほしいところ。海外の展示会やイベント、また中国旅行時に家電店などで見かけたら、ぜひこのNut Proを実際に操作して体験してみたいものです。
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