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11ac無線LAN APやシンプルなビデオ会議パッケージも。販売パートナーは4100社に拡大

25万円台のUCSサーバーなど、中小企業向け「Cisco Start」新製品

2017年03月29日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 シスコシステムズは3月28日、中小企業向けに低価格帯で展開している「Cisco Startシリーズ」のラインアップに、サーバーやクラウドサービスなどの新製品を追加した。導入初期費用を抑える中小企業向けのリースサービスや、海外展開もふまえ刷新されたCisco Startブランドの新しいロゴも披露された。

 同日の発表会では、新製品の紹介に加えて、“日本法人発”で2015年秋から販売パートナーとともに展開してきたCisco Startビジネスの現況、海外での展開などについても説明がなされた。

「Cisco Startシリーズ」に新製品群が追加され、中小企業向けのリースサービスも開始した

シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括の高橋慎介氏

4万円台の11ac無線LAN AP、月額350円のクラウドセキュリティなど投入

 今回、Cisco Startのラインアップに追加されたのは、x86サーバー「Cisco UCS Cシリーズ」の低価格構成モデル、無線LANアクセスポイントの新機種、クラウド型ビジネスチャットとテレプレゼンス製品をバンドルしたパッケージ、クラウド型セキュリティサービスの4つ。

 Cisco Startブランドでは初めてとなるサーバー製品は、Cisco UCS Cシリーズの1Uモデル(UCS C220)と2Uモデル(UCS C240)。詳細なスペックは発表していないが、出荷時に搭載するハードディスクやメモリの容量を抑えることで、市場想定価格25万円台から(税抜、保守サービス含まず、以下同様)の低価格パッケージとして4月から提供する。同社は両モデルを「Cisco Startサーバ」と呼んでいるが、ハードウェア的には従来のUCSサーバーと同じであり、UCSオプションによる将来的な増設や機能拡張にも対応している。

Cisco Startで初めてのサーバー製品が追加された。日本語化された管理ツールも提供する

 無線LANアクセスポイントでは、Cisco Startシリーズの既存製品(Aironet 1830/1850シリーズ)よりも安価な、802.11ac wave 2対応の「Cisco Aironet 1815シリーズ」を追加した。スタンダードモデル、有線LANポート搭載のテレワーク向けモデル、ホテル向けの壁掛けモデル、高出力モデルという4種類がある。市場想定価格は4万円台からとしており、4月以降順次発売する。

 また、ビジネスチャットサービスとテレプレゼンス(ビデオ会議)製品をバンドルした「中小企業働き方改革パッケージ」も追加された。「Cisco Spark」の使用ライセンスと「Cisco TelePresence SX/NX」をパッケージ化し、外出先のスマートフォンも含めたビデオ会議を可能にするもの。市場想定価格は月額1万800円から(Spark 3年ライセンス+SX10N 1台)で、4月からの発売予定。

シンプルなテレビ会議/ビジネスチャットを「中小企業働き方改革パッケージ」として提供

 クラウド型セキュリティサービス「Cisco Umbrella」も、Cisco Startのラインアップに追加された。Umbrellaでは、社内の端末やサーバーが参照するDNSサービスを通じて、フィッシングサイトへのアクセスやC&Cサーバーとの通信をブロックしたり、管理者の指定したカテゴリ(たとえばギャンブル、SNSなど)のWebサイトへのアクセスをフィルタリングしたりすることができる。不正サイトのデータベースにはシスコの脅威インテリジェンスクラウド「Talos」のデータを用いており、DNSの仕組みを利用するセキュリティサービスなので、中小企業が導入済みのUTMとも併用できる。市場想定価格は1ユーザーあたり月額350円(100名/3年契約の場合)。

 なお今回、Cisco Startの一環として、中小企業向けのリースサービス「Cisco Start easylease」も発表されている。ハードウェア/クラウドサービスの契約を一本化し、月額払いで初期投資費用を軽減することが目的だ。

新リースサービス「Cisco Start easylease」を利用した場合の想定価格例

ラインアップ拡充でさらに成長を加速、「今年度は3倍の売上に」

 シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括の高橋慎介氏は、立ち上げからおよそ1年半が経過したCisco Startのビジネスについて「おかげさまで順調に推移している」と概況を説明した。2017年度(2016年8月~2017年7月期)のCisco Start製品売上は、半年経過した時点ですでに昨年度の売上額を達成。今回の新製品も合わせると「通年では昨年度の3倍の売上実績になるのでは」(高橋氏)という。

 2015年9月にスイッチ、ルーター、無線LAN、ファイアウォールという製品構成でスタートしたCisco Startシリーズは、その後「WebEx」などのクラウドサービス“4万円台の「Catalyst」スイッチ”などの製品をポートフォリオに加えながらビジネスを進めてきた。売上比率を見ると、Catalystスイッチやエントリーモデル(1万円台以下)製品が大きく伸びている。

2016年度、2017年度(現時点まで)のCisco Start製品における売上比率。なお円の大きさは売上額を示している

 さらに高橋氏は「最新四半期の日本市場におけるネットワーク製品売上は19%の成長だった」と述べ、Cisco Start製品がシスコの従来製品市場を奪っているのではなく、これまでカバーしてこなかった新しい市場を開拓していることを強調した。以前の製品ポートフォリオでは、中堅中小企業だけでなく、大手企業のブランチオフィス環境も取りこぼしていたが、Cisco Start製品によってこの市場も「奪回できた」という。

 Cisco Start製品はすべてパートナー経由での販売となるため、販売パートナーの拡大も重要だ。高橋氏は、Cisco Start製品を販売した実績のあるパートナーは現在4100社まで拡大し、アンケートによれば「うち800~900社はシスコ製品を主力にしたいと考えている」と語った。なお、販売パートナーの8割はCisco Start製品を「売りやすい」と評価しており、残り2割も「可もなく不可もなく」という評価で、「ネガティブな意見は1社もなかった」(高橋氏)という。

 「Cisco Startを始める前、シスコの販売パートナーは300社だった。それが4100社まで拡大している。つまりこの300社と4100社の差(3800社)が、Cisco Startをきっかけとして新たに培われたパートナーということになる」(高橋氏)

 なお、今回の発表ではCisco Startの新しいブランドロゴも発表されたが、これはアジア太平洋地域で同シリーズを展開するために刷新されたものだという。同社 執行役員 マーケティング本部長の鎌田道子氏によると、現在すでにオーストラリア、インド、シンガポールでCisco Startシリーズの展開が始まっており、そのためにあらためて米国本社にロゴを申請、作成したという。「欧州、米国市場で展開するかどうかはこれからの検討だが、APACではすでに現在広がっている」(鎌田氏)。

Cisco Startの新しいブランドロゴ

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